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テロリズムテロテロルTerror, Terrorism)とは、心理的恐怖心を引き起こすことにより、政治的主張や理想を達成する目的で行われる暴力行為のこと。またはその手段を指す。テロの定義に関しては学術的な定義や各国政府による定義づけはなされているケースもあるが、国際法上の定義が確立されておらず、概念としては未だ曖昧なままとされている。

語源

テロリズムの語源は、フランス大革命末期のロベスピエール恐怖政治(regime de la Terreur 1793年6月 - 1794年7月)「テロール」よりきている。権力者が対立する者を抹殺した場合もしくは、その影響(恐慌や追従)も含めてテロと呼ばれていた。

その後テロの内包する意味は、逆に反体制側の暴力的手段を指すように変化していった。これは権力側が武装抵抗をテロと呼んだ為である。 そのため現在では、共産主義者側によるテロを赤色テロアナーキスト側によるテロを黒色テロ、権力側によるテロを白色テロと呼称して区別している。

或はレーニン赤色テロと称して、意図的にテロを煽動した。

テロの特徴及びその概念

不特定多数の個人間、あるいは社会に介在する「合意」に対して物理力やある種の表現をもって介入し、衝撃をあたえることで混乱や狼狽を誘い、結果として明示的なり暗示的なりに約束されてきた合意事項を破綻させることを目的とする。生命や財産の継続性は社会契約の前提であり、これを遮断することによって合意の継続を困難にする手法である。

テロの計画者はおおむね独自の主義・主張や世界観、宗教観をもとに物理的介入に及ぶ傾向にあるものの、その大半は未熟で一貫していない倫理観や思想的背景にもとづいていることが多く、対話の否定、相互理解の拒絶、純粋暴力の肯定など非社会的な嗜好に由来するものである。また悲運な人生や家族に対する個人的な絶望、悲嘆につけ込むことでテロの実行犯を仕立て上げる。

  • テロは伝統的で実効性のある手段である
  • テロは無くならないが、管理・監視は可能である
  • テロ集団は思想集団の類型をもつ
  • テロは指導者、計画者、実行犯、支援者の階層を持つ
  • トロツキーのテロリズム

トロツキーの論究によれば、テロリズムの本源は報復感情の発露であり、体勢側の圧迫に対する報復としての暗殺、暗殺に対する体制側の見せしめとしての残虐刑などとして発露する。これは感心できない。しかし政治的行動として製造機械の破壊(打ちこわし-ラッダイト)、あるいは労働者の一斉怠業などのテロ行為は社会変革の一手段として有効性を否定することはできない、とする。

  • 国家はテロの主体に入るのか、テロとは戦争なのか

テロリズムの特徴としては、個人で行う個人的テロリズムと、宗教団体や政治集団や国家による集団的テロリズムに分けられる。国家や一定の政治権力を持つ集団による集団的テロリズムは恐怖政治につながる事もある。スターリン主義体制における大量テロルが恐怖政治の例である。一般には国家権力に対する過激派の暴力手段をさすことが多い。衆人環境で爆発物を爆発させるなどの無差別殺戮、要人暗殺などである。

このようにテロについては一定の特徴や性格は明らかである中で、その定義付けが困難であるのは、テロの主体をめぐる議論、そしてテロという概念の指す事態というものについて明確な基準がないためである。

たとえば、国家はテロの主体となり得るかという問題については今日、様々な議論がある。というのは、テロリズムという暴力手段が注目された1970年代以降、テロの主体は国家権力に正面から対抗する手段を持たない政治勢力、宗教勢力が奇襲的な殺戮行為を行うことにより、国家に政治的打撃を与え、政治的主張を受け入れさせることが主流であったためである。 故に国家がテロの実行を命じ、或いはテロを支援する国を指してテロ国家或いはテロ支援国家という概念が生まれ、或いはテロ国家により引き起こされるテロを国家テロというように国家がテロになり得るという認識が序々に広まりつつあるからである。

さらに、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件はテロの定義を揺るがす事件となった。この事件はイスラム系原理主義組織 アルカイーダによる犯行であったが、ジョージ・ブッシュ大統領はこの事件を指して「新しい戦争」と呼んだのである。 戦争とはいうまでもなく、国家が主体となるものであるが、非国家主体であるテロ組織の行為を指して新しい戦争と呼んだことで、テロという概念が戦争と合致するものであるのか波紋を呼んだ。

アメリカがテロを新しい戦争と呼んだ背景には、犯罪というにはテロの有する破壊力があまりに大きく、国家の存亡をも揺るがす安全保障上のテーマとしても認識されたからに他ならない。そして、テロには通常の犯罪と異なり、その動機がきわめて政治性、宗教性のあるものであるということも、通常の犯罪とは区別して考えられるところであり、単純に犯罪の一カテゴリーとしてとらえることは適切ではないというこどができる。このようにテロの概念規定を困難にさせているものは、テロという事象及びその特徴がきわめて複合性を有するものであるからに他ならない。政治的・宗教的目的の達成手段としてのテロ、犯罪としてのテロ、そして災害としてのテロ(テロ災害)というように、テロという概念は複数の要件が重複していることで成立しているのである。

とはいえ、今日、国際的にもテロの頻発している中では、早期の概念規定が課題である。それは、テロという定義を欠いたテロ対策はその発生主体の特定や発生時の所管セクションの権限や対応において対応する機関の責任の所在を曖昧にし、結果として被害を拡大する要因になりかねないからである。よって、テロをめぐる今日的課題は国際法的にも各国の国内法的にも、「テロとは何か」を明確に規定することが不可欠となっているのである。

日本ではいくつかの法令にテロリズムに関連する規定を設けており、以下において紹介する。

公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律

(定義)
第一条  この法律において「公衆等脅迫目的の犯罪行為」とは、公衆又は国若しくは地方公共団体若しくは外国政府等(外国の政府若しくは地方公共団体又は条約その他の国際約束により設立された国際機関をいう。)を脅迫する目的をもって行われる犯罪行為であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
:一  人を殺害し、若しくは凶器の使用その他人の身体に重大な危害を及ぼす方法によりその身体を傷害し、又は人を略取し、若しくは誘拐し、若しくは人質にする行為
:二   
::イ 航行中の航空機を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、又はその航行に危険を生じさせる行為
::ロ 航行中の船舶を沈没させ、若しくは転覆させ、又はその航行に危険を生じさせる行為
::ハ 暴行若しくは脅迫を用い、又はその他の方法により人を抵抗不能の状態に陥れて、航行中の航空機若しくは船舶を強取し、又はほしいままにその運航を支配する行為
::ニ 爆発物を爆発させ、放火し、又はその他の方法により、航空機若しくは船舶を破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為
:三  爆発物を爆発させ、放火し、又はその他次に掲げるものに重大な危害を及ぼす方法により、これを破壊し、その他これに重大な損傷を与える行為
::イ 電車、自動車その他の人若しくは物の運送に用いる車両であって、公用若しくは公衆の利用に供するもの又はその運行の用に供する施設(ロに該当するものを除く。)
::ロ 道路、公園、駅その他の公衆の利用に供する施設
::ハ 電気若しくはガスを供給するための施設、水道施設若しくは下水道施設又は電気通信を行うための施設であって、公用又は公衆の利用に供するもの
::ニ 石油、可燃性天然ガス、石炭又は核燃料である物質若しくはその原料となる物質を生産し、精製その他の燃料とするための処理をし、輸送し、又は貯蔵するための施設
::ホ 建造物(イからニまでに該当するものを除く。)

警察庁組織令第39条

国際テロリズム対策課においては、次の事務をつかさどる。
:1 外国人又はその活動の本拠が外国に在る日本人によるテロリズム(広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動をいう。)に関する警備情報の収集、整理その他これらの活動に関する警備情報に関すること。

課題解決のために

  • テロリストに利益をあたえない ゲームの手段としての無効性を立証し続ける
  • テロの被害を早急に回復し、かつ被害者・遺族の報復感情を政治が吸収する テロの連環を放棄させる
  • 政治プロセス(合意プロセス)を改善し対話を促す 論争を仕掛ける、論争を奨励する
  • 被害の拡大を最小限度に管理する 物理力(武具)を管理・監視する
  • 絶望や復讐の感情の原因を解消する テロの実行犯(被害者)を減らす

全ての国家が自国民に対して必要最低限度の生活レベルを保証できれば、経済を背景としたテロは発生しづらい。一方で個人的な絶望や思索によって得られたある種の確信、領土や民族、宗教を背景としたテロは減らしにくい。国家が宗教や憲法に規定される信者や国民への義務を誠実に履行すればテロが発生しないとする意見も一部ある。ただし信仰や憲法の内容については各宗派や国によって大きな隔りがある。たとえば共通のコードとして国際人権規約などがこれに代わり得る可能性がある。テロの発生はある国家の何らかの破綻・何らかの怠慢を原因として拡散している場合がある。政権が破綻しているのであれば、国連加盟・非加盟を問わず国連が介入し対処すべきという意見も一部ある。だが内政不干渉の慣例に反するとして忌避される恐れがあるので扱いが難しい。

主要テロリスト/テログループ

ここでは各国政府機関によってテロ組織などに指定されている組織や一般にテロ組織と認知されているものを挙げる。 

参照リンク

現在活動中

イスラム過激派、パレスチナゲリラ

※はユダヤ・十字軍に対する聖戦のための国際イスラム戦線参加組織

イラク

チェチェン

シーク教過激派

  • ダル・カルサ
  • ババル・カルサ
  • 国際シーク青年同盟

日本

その他

過去に活動

主なテロ事件

宗教原理主義

過激カルト宗教

民族主義

キャンペーンとしてのテロリズム、またその余波として暴力事件を起こした事例(参考)

左翼過激派

右翼過激派

国家テロ

白色テロ

赤色テロ

黒色テロ

緑色テロ

自己正当化としての反テロリズム

以上のようにテロリズムに対しては現在世界はおおむね反対の論調を共有している。それゆえテロリズムの排除・撲滅はその実体はともかく主張としては反対されることは少なく、この主張を大義名分として行動する場合、他者(多くの場合他国政府)の介入を招きにくい。こうした反テロリズムの代表例がアメリカ合衆国などが行なう対テロ戦争であるが、それ以外にも様々な国で自国内のテロリストとの対決が見られる。

こうしたテロリズムとの対決は反テロリズムの観点から批判を受けにくいが「テロリズム」の語が各国政府によって恣意的に運用され、反対派弾圧の理由として「反テロリズム」が用いられているという批判が起こることも多い。反政府運動や分離独立運動などは暴力と結びつくことも少なくない。実力行使が伴わなくとも「反テロリズム」が示威行動として利用されることもある。

これとは別に「反テロリズム」が過剰暴力や非合法活動の正当化に使われている(テロ撲滅のためには多少の付随的な犠牲が出るのはやむを得ないという主張)との批判もある。具体的には対テロ戦争に伴う一般市民への誤射・誤爆や「テロ支援国家」への経済制裁に伴う一般人への影響などである。ある人々はアフガニスタンで結婚式に集まった人々がテロ集団とみなされ誤爆された例や戦争で発生した難民達の窮乏を訴えて、こうした「悲劇」への道義的責任を戦争を行なったアメリカ合衆国の「反テロリズム」に求めている。またパレスティナ人のインティファーダ(対占領抵抗運動)へのイスラエル軍の攻撃、「チェチェン共和国」へのロシアの態度も「反テロリズム」を用いた過剰暴力の正当化の例といわれることがある。

これらとは違うタイプの批判として「反テロリズム」に使われる兵器に重点を置いたものがある。この考え方は冷戦後の武器消費の落ち込みを避けるために「反テロリズム」が使われていると主張している。冷戦の終結によって「西側・東側」という巨大な「敵」が消滅し兵器の需要は大きく減少したが、「テロリズム」という「敵」を強調することで「反テロリズム」国であり世界でも有数な兵器輸出大国であるアメリカ合衆国やロシア連邦は兵器需要を確保しつづけているといった考え方である。こうした考え方のもと「反テロリズム」は武器開発・輸出・保有に使用されていると一部の人々で批判されている。

関連項目

参考資料

自己正当化としての「反テロリズム」の資料となる作品。

  • 華氏911』:2004年10月19日から11月の大統領選挙までの間、全米の一部のビデオ店で無料レンタルされた。
  • エネミー・オブ・アメリカ』:無実の市民が、あってはならない事態の証人となったために、迫害される。
  • ロメロ (映画)』:当時のエルサルバドル及び中南米の状況(無実の市民が拉致・拷問・虐殺された/実行犯は軍、主犯は資本家)が幾分反映される。

テロをテーマとした作品

漫画

砂の薔薇』:新谷かおる作品。アメリカを拠点とした反テロの組織の女性指揮官マリー・ローズバンク(アメリカに帰化した日本人女性)を主人公にしている。軍事的テロ事件の数々の描写が緻密で、テロリスト壊滅にかける情熱にあふれる。

小説

『レインボー・シックス』『恐怖の総和』などのトム・クランシーの作品。
『テロリストに薔薇を』『悪魔と手を組め』『黒の狙撃者』などのジャック・ヒギンズの作品。
ロープシン『蒼ざめた馬』:20世紀初頭のロシアを舞台とし、社会革命党戦闘団のテロリストを描く。
ロープシン『黒馬を見たり』:ロシア革命後の自由・祖国擁護同盟の反共産主義のテロを描く。
エルンスト・フォン・ザロモン『追放者たち』:ヴァイマール共和国時代のコンスルのテロリストの体験小説。
佐々木譲『ネプチューンの迷宮』:日本による政府転覆計画。南太平洋の小国を舞台とする。

映画

『灰とダイアモンド』: 戦後ポーランドの反共愛国派のテロリスト青年を描く。
『Z』:大統領候補の暗殺。Zは「(彼は)生きている」という意味のギリシア語の頭文字。
『ジャッカルの日』: ド・ゴール暗殺を企てるフランス右派のOASに雇われたテロリスト。
『ミッシング』: チリの反体制派学生の大量虐殺に巻き込まれて殺されたアメリカ人カップル。
『戒厳令』: 反政府派の暗殺事件に関係したアメリカ人実業家の正体。
『コラテラル・ダメージ』: テロにより家族を失った男がテロリストに復讐する話。アーノルド・シュワルツェネッガー主演。


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