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thumb|240px|AT互換機用内蔵3.5inchHDD

ハードディスクドライブ (Hard disk drive) とは、磁性体を塗布した円盤に磁気ヘッドを用いて情報を記録し、また読み出す記憶装置。円盤がガラスアルミニウム等固い素材で作られている事から硬い円盤の意味でハードディスクと呼ばれる。英語表記からHDDや、HDとも略されるほか、固定ディスクFixed disk とも呼ばれる。嘗て、パーソナルコンピュータ用の補助記憶装置として主流の位置を占めていたフロッピーディスクドライブと比較した場合、遥かにそれを凌駕する記憶容量を持ち、アクセス速度も非常に高速である。

現在市販されているハードディスクドライブは金属製の筐体で密閉されている為、密閉型ハードディスクドライブとも呼ばれている。

概要

主に、汎用コンピュータ補助記憶装置として利用される他、大容量のランダムアクセス記録を必要とする業務用専用装置に用いられる。2000年代に入り家庭電化製品のデジタル化が進み、音声映像等のデータをデジタルデータとして記録する用途が生じてきた事から一般の家電製品での利用も増えている。安価で大容量かつランダムアクセスが可能でアクセス速度も速いという特性を生かし、2003年以降、特にハードディスクビデオレコーダー携帯音楽再生装置といった用途での利用が増加している他、カーナビゲーションにも搭載され、地図情報の保存等に利用されている。

2005年現在、上記家電製品やパーソナルコンピュータ等での使用に於いては、コンピュータ本体の筐体内に内蔵する方式が主流であるが、本体とは別の専用の筐体に収めUSBIEEE1394等の汎用バスを用いて接続して利用する方式も広く用いられている。また、ネットワーク上で汎用コンピュータ装置に従属しない独立した記憶装置として利用出来るような製品も存在する。

ハードディスクは半導体メモリに比べて読出・書込に時間が掛かる。OSから見てハードディスク装置と同様のオペレーションでより高速なアクセスを実現する為の工夫もされてきた。RAMディスクは、コンピュータ上に搭載されたRAMの一部を、デバイスドライバ等によりディスクドライブであるかのように見せかける仕組みで、古くから利用されている(パソコンではCP/MMS-DOSの頃)。また、汎用ハードディスク等のディスクドライブと同様に操作出来るメモリディスク装置(電子ディスク装置)が汎用機(メインフレーム)用として1980年代から使用されているが、半導体メモリの価格低下に伴い一般向け装置も登場し、普及して来ている。 また、不揮発性フラッシュメモリとHDDのメリット、デメリットを補う為にメモリーとHDDを一緒にしたハイブリッドHDDが登場した。これにより消費電力の節約とともに、読み書き速度の向上、衝撃にも強くなった。今後ノートPCに普及すると思われる。

構造

thumb|200px|ハードディスクドライブ内部 thumb|150px|磁気ヘッド部分。プラッタが鏡の様にヘッドの姿を写している点に注意 thumb|150px|プラッタ ハードディスクの基本構造はレコードプレイヤーに酷似している。レコード盤に当たる物がディスク、針に当たる物がヘッド、及びヘッドを駆動するアーム等から成り立つ。アームは円盤上を1秒間に最高100回程度の速度で往復出来、これによって円盤のどの位置に記録されたデータへも瞬時にヘッドを移動して読み取り、書き込みが可能となっている。 コンピュータ製品に関わる他のディスク装置は、ヘッドを円盤回転軸の中心へ垂直に走査するのに対し、ハードディスク装置のみこの方式でない点は興味深い。

ガラスやアルミニウム等の硬い円板に磁性体を蒸着等の方法により塗布し、データを記録しているのでハードディスクという。また、この円板部分をプラッタと呼ぶ。更に、プラッタの各面の事をサーフェスと呼ぶ。 通常、ハードディスクは複数枚のプラッタが取り付けられていて、プラッタの両面に読み書きする。

ハードディスクドライブには、磁性体の上にライナーと呼ばれている潤滑剤が塗布されている。ディスク停止時には磁気ヘッドとプラッタは接触しているが、このライナーの上をヘッドが滑り、回転数が上がるに連れ、プラッタ表面近傍のプラッタと共に回転する空気によってヘッドが極僅かに浮き上がる。このライナーが劣化すると、ヘッドが磁性面に引っかかる形で衝突し、ヘッドクラッシュという現象を起こす。一般に、このライナーの寿命がハードディスクそのものの寿命となる。この為、密閉式のハードディスク装置は準消耗品的な扱いを受ける場合が多い。

古い時代のハードディスクは停止命令を送ると、ヘッドをプラッタから引き上げ、退避位置に移動させる様になっていた。しかし部品点数削減と停止命令を送らないOS(MS-DOS等)の普及等から、ヘッドはプラッタの上に放置される様になった。この改良以降、互いに鏡面加工された物体が接触した状態で放置されるとそこで接着されてしまう「はりつき」と呼ばれる現象が発生するようになった。これはハードディスクが起動しなくなる深刻な障害で、回復させる為に様々な方法が考案された(バケツの水を回す様にハードディスク筐体を電源を入れながら回転させる、クッションに包んでハードディスクを床に落として衝撃を与える、筐体を分解してディスクを手で強制的に回転させる等)。後にプラッターの一部に凹凸を付けた領域を設け、電源が切られた場合強制的にそこへ移動させる様になり、「はりつき」の悲劇は解消された。現在のOSはハードディスクに停止命令や電源オフ命令を送る様になり、特に耐衝撃性能が要求される携帯機器向けのハードディスクではヘッドを退避領域に戻す機構(ドロップ・センサー機能)が復活している。

内部は、埃の侵入を防ぐ為密閉されており、フロッピーディスク装置とは違い記録メディアドライブコントローラインターフェイスが一体となっている。基本的に金属製の筐体は開けられないようになっており、開けてしまうと埃が内部に付着して壊れてしまう。

但し、完全に密閉されている訳ではなく1箇所だけ小さな空気取り入れ口が存在するが、これは使用時の温度変化に伴うドライブ内の空気圧が上昇するのに対応する目的である。磁気ヘッド自体が空気分子により磁性面より幾分浮き上がっているので、温度変化は磁気ヘッドと磁性面の間隔を左右する要素となる。空気取り入れ口はこの圧力を一定に保つ役割を持つ。

モーター

ハードディスクの機能を実現している電気部品の内、駆動系に関わるのはモーターである。

ハードディスクに関わる電動機は2つあり、1つは円盤部分を回転させるモーター(スピンドルモーター)、もう1つはヘッドをシークさせるアームを駆動するモーター(ボイスコイルモーター)である。

円盤部分を回転させるモーターはダイレクトドライブ方式となっており、5,400・7,200・10,000・15,000rpmが主立った回転数である。

アームの駆動モーターは通常のモーターの形をしておらず、早い話がリニアモーターとなっており、2枚の強力な磁石(主にネオジム磁石を使った物)の間にコイルを置き、このコイルの動きがそのままアームの動きとなっている。このようなアームのシーク方式は1993年頃から一般化したが、それ以前のハードディスクには、ステッピングモーターの回転をアームの動きへと変換するリンク構造が用いられていた。この方式はハードディスク全体の小型化やシークタイムの微小化に不向きであり、現在そのような方式が用いられることはない。

軸受け

ハードディスクには2つの軸受けが必要である。1つは円盤下部においてモーター内部の軸を支える軸受け、もう1つはヘッドをシークするアームの台座となっている部分である。軸受けの種類としてはモーターの回転軸の軸受部にボールを使用した玉軸受(ボールベアリング)と流体動圧軸受 (Fluid Dynamic Bearing;FDB) がある。流体動圧軸受はモーターの軸と軸受の間が潤滑油で満たされている。非回転時は軸と軸受が接しているが、回転時に動圧が発生し軸と軸受が非接触状態となる。その為回転抵抗が非常に低く静音でモーターの寿命も延長できるため、最近は流体軸受の方が主流である。潤滑油が漏れるのではないか?といった懸念が一部にあるようだが、オイルシール部は撥油膜(潤滑油をはじく)で被われており、大きな衝撃を加えない限りは潤滑油は飛散しない。

記録密度

プラッタ上の記録密度は、1平方インチ辺り最大で垂直記録で178.8Gbit(2006年6月現在)、面内記録で120Gbitの物が製品化されている(2006年2月現在)。このような超高密度になったハードディスクでは、ディスク回転時のプラッタとヘッドの距離は10nm~30nmであり、タバコの煙の粒子より狭い為、ハードディスク内部は半導体製造工場並みの無塵度が求められる。

インターフェース

コンピュータとのインターフェースは古くはSASI、現在はシリアルATAATASCSI等が用いられる。外付けドライブとして拡張する場合は、従来はSCSIが多く利用されてきたが、1990年代半ば以降はUSBやIEEE1394とIDEの変換を磁気ディスク装置内で行い接続するのが一般的である。尚、ネットワークからTCP/IPで直接接続出来る様にしたNASと呼ばれる磁気ディスク装置もある。

また、シリアルATAを外付けドライブとして用いる為に拡張した規格として、2005年現在eSATAの規格化が進められている。

コントローラ

ヘッドにケーブルもしくはフィルム基板の形で直結されているピックアップアンプからインターフェースまでの間に、コントローラ基板を搭載している(汎用機の時代には別体であった時代もあった)。一般的にこの基板はそれ自体が独立したマイコンでモーターやヘッドのサーボ制御・位置決め・トラック位置に応じた書き込み電圧の制御・読み書きする際の変調・インターフェースとのデータの入出力・キャッシュメモリの制御等を行う。1990年頃から更にタグ付キューイング遅延書き込みを担当し、OSの負荷を軽減した。1990年半ばからIDEハードディスクではDMA転送モードの取り扱いを始めた(しかしその活用はUltra DMAの登場まで待つ事となる)。尚、Windowsの古いバージョンでは、ハードディスクの書き込み完了を待たずに電源を切る誤作動があり、折角高機能化されたSCSIハードディスクの機能を意図的に無効にしていた時代があった。その為、入出力にオーバーヘッドを伴うSCSIよりもIDEの方が高速で且つ安価だったので、市場の主流はIDEハードディスクが占めた。更にIDEのコマンド体系を拡張したATAPIに対して機能追加した事で機能面ではSCSIと並んだ為、市場では依然としてIDE系列のインターフェースを持つハードディスクが主流である。

パーティション

ハードディスクは1台で大容量を利用出来る為、利用方法に合わせて内部を区画(パーティション)に分割出来る。個々の区画を別々のOSで利用する事も出来る。

サイズ

2005年現在のコンピュータで利用されているものは、殆どが3.5インチや2.5インチサイズのプラッタである。小さなものでは、CFメモリーカードサイズのマイクロドライブiVDR (Information Versatile Disk for Removable usage) 等もある。

外付けタイプ

ハードディスクはコンピュータの筐体に内蔵されるのみでなく、外部補助記憶装置としても利用されている。外付けハードディスクはハードディスク本体を更に金属や樹脂の筐体に入れ、変換回路により端子を変換し、ケーブルによってコンピュータに接続出来る様にした物である。中には内蔵ハードディスクをハードディスクケースという専用のケースに取り付けて外付けハードディスクとして利用出来る様にした装置もある。これは低価格だが取り付けの手間がかかる内蔵ハードディスクの利点と、手軽に使用出来るが高価な外付けハードディスクの両方の利点を生かし、ハードディスクを低価格で入手出来、且つ手軽に扱えるようになるものである。

接続にはSCSIUSBIEEE1394ファイバーチャネルeSATA等が用いられるが、ATA/ATAPI規格は用いられない。これはATA/ATAPI規格がコンピュータ内部での補助記憶装置の接続に特化して開発された経緯に由るものである。

MacintoshFireWireまたはSCSIで、他のMacintoshと接続することで、外付けハードディスクとして利用できるようになる(接続先から起動も可能)。その他にも、ハードディスクを搭載したMP3プレーヤー(iPodなど)やモバイルコンピュータ等がコンピュータと直接接続する事によって外付けハードディスクと同様の役割を持つ事が出来る様になっている製品も存在する。

ハードディスクの論理的な記録構造を応用したものにRAIDという仕組みが存在する。これはハードディスクの記憶領域を直列、または並列、もしくはその両方、といった形式に論理的な接続(ハードディスクのインターフェイスとの接続は物理的である点に注意)を行い、見かけ上の速度を上げたり、同じデータが2つのハードディスクに記録されるようにし、バックアップを常時取れるように改良する仕組みと言える。通常、こういった仕掛けは外付けタイプのハードディスクで行われ、そのような装置を一般にRAIDアレイと呼ぶ。RAIDアレイは一般的なハードディスク装置とは呼べず、大きさも然る事ながら価格も高価である事から、企業等のような団体や組織で使用される事例が殆どである。

リムーバブルハードディスク

ディスクを取り外し可能なハードディスク。

リムーバブルメディアにはフロッピー系(フロッピーディスク、BernoulliディスクZip等)、テープ系(DDSLTO等)、光磁気ディスク系(MOMD等)、ハードディスク系等、様々な技術を用いた数多くの製品が今迄に発売されて来たが、その内のハードディスク系のものの総称として、一般的にリムーバブルハードディスクと呼ぶ。ハードディスクのディスク部のみをカートリッジに入れ、ヘッドや駆動部からなるドライブ本体から構成されており、フロッピーディスクやMOのように使う事が出来る。 他のリムーバブルメディアと比較してハードディスク系は、大容量(フロッピー系、光磁気ディスクよりも)、読み書き速度が高速(フロッピー系、テープドライブ系、光磁気ディスクよりも)、低価格(米国に於いては光磁気ディスクよりも)という点で優れており、更にハードディスクの技術がそのまま転用出来る為、新技術の導入も早かった。

90年代前半までは、米国では広く使われていたリムーバブルメディア(日本ではMOが普及していた為、あまり使われなかったようである)であったが、構造上、埃や衝撃に弱いという欠点があり、また、以前は大容量の物を作るのが難しかったフロッピー系メディアでも、Zipスーパーディスクの様な大容量で低価格な製品が登場した事により、メディアの価格面で対抗出来ず、現在では存在が薄れている。

5インチ、3.5インチのディスクで、様々な容量の製品が発売されていて、代表的なものにSyQuestのSQ327, EZ135, EzFlyer, SparQ、SyJetや、アイオメガJazPeerless、CASTLEWOOD社のORB等があった。一時はSyQuestやNomai社を中心に、PDC(Power Disk Cartridge)というメディアの統一規格策定の動きもあったが、普及する前にリムーバブルハードディスク自体の人気が下火になり、消失した。現在ではアイオメガから2.5インチ、MDほどの大きさのREVが、アイオーデータからiVDRが発売されている。

thumb|リムーバブルハードディスク REV(写真上)と外付けリムーバブルケース(写真下)

リムーバブルハードディスクドライブケース

一方で、内蔵ハードディスクを専用のトレイに固定し、そのトレイをリムーバブルハードディスクドライブケース(リムーバブルケースと略される場合が多い。名称が長い為本項でも略語を用いる)と呼ばれる筐体に格納する事で疑似的なリムーバブルハードディスクにしてしまう製品が存在している。これは前述のハードディスクケースと内蔵ハードディスクを用いた疑似外付けハードディスクの利点に加え、取り外しが可能である点を活かして可搬性の向上と、ハードディスクの入れ替えを容易にし、尚且つ省スペース、ケーブル類が少しで済む(単なる外付けではインターフェースケーブルや電源コードだらけになる)という特徴をもつ。

前述のカートリッジタイプでは、ドライブの生産中止等によりメディアが使えなくなる場合があった。また、メディア容量を増やしたい時は、ドライブとメディア全て他のものに買い換えねばならない場合が多かった(互換性のある上位機種が少ない為)。それに対してリムーバブルケースでは、ケースが手に入らなくなっても、他社の製品に中身のディスクドライブを入れ替えれば続けて使える。また逆に手持ちのケースの中身のディスクドライブを変えるだけで、容量の増加が簡単に行えるという長所がある。

1998~2000年以前では、リムーバブルハードディスクというと、前述のハードディスクの構造を持ったリムーバブルメディアのもののみを指していた。しかし、それらの製品群は、1998~2000年ごろには他メディアに押されて販売中止となる製品が続出し、陰の薄いものとなった。それに対し、このころに登場した後述のリムーバブルケースは登場と同時に爆発的に普及し、一般に広く知られるようになった。そのため、現在では後者のものを指すことが多くなった。

ハードディスクドライブそのものをカートリッジにした物

SCSIではSCAコネクタを採用した物で、ハードディスクドライブそのものをスロットに押し込んで使うシャーシがある(これは薄型RAIDでよく使われた)。汎用リムーバブルケースに比べて、カートリッジ化する為の部品装着の手間が不要になる、ハードディスクドライブがシャーシに接触するので放熱効率が良い、実装密度を高くする事が出来るなどのメリットがある。デメリットとしてSCAコネクタを搭載したハードディスクドライブ自体が製造数の関係で安価ではない、大容量ドライブの入手性に難があるなどがあげられる。

2.5インチハードディスクドライブパラレルATAでも、40ピンATAのピンピッチを狭くしただけでなく、電源の4ピン分を含めた44ピンATAに、マスター/スレーブ設定ピンなどを含む50ピンATAとしてコネクタ位置が統一されている。コネクタの抜き差しも弱い力で済んだ事から、ノートパソコンでは同じくハードディスクそのものをスロットに押し込んで使う筐体も有った。安いベアドライブを簡単に入替えられ評判が良かったが、ノートパソコンの筐体の場合、ドライブを抜き差しする開口部を作る事すら厳しい事、ドライブの高さが8mm/9mm/12mmと異なる高さの製品があった事から、実例は多くは無い(日立 フローラ、東芝 ダイナブック・ポルテジ、IBM シンクパッドなどの一部のモデルが本体を分解しなくてもアクセス出来るスロットを備えた)。

3.5インチIDEハードディスクドライブがシリアルATA化した際に、コネクタの位置が厳密に規定された事、コネクタ自体がこじらなくても抜き差しできる様になった事から、従来SCAコネクタハードディスクドライブが採用されていた市場・分野にシリアルATAハードディスクドライブが進出している。SCAコネクタハードディスクドライブの欠点であった、容量の問題、価格の問題も解決しており、コンシューマー向けの5"ベイに搭載するリムーバブルシャーシから、大規模ストレージまで幅広く使われる様になった。シリアルATAコネクタを搭載した高信頼性型ハードディスクドライブも登場している。

リムーバブルケースとカートリッジタイプの比較

前述の通りハードディスクをリムーバブルにする技術は現在2種類ある。どちらを使用すべきか悩んでいるのであれば以下の比較表を参考にすると良い。

リムーバブルケース カートリッジタイプ
接続に関する手間 ねじ止め、多数のケーブルの接続が必要 SCSI等のケーブルのみ(内蔵タイプは除く)
扱い易さ ディスク着脱の度に再起動が必要で煩雑(IDE接続以外は再起動が不要) メディアの交換がフロッピーディスクと同様に行え、簡単
耐衝撃性 ハードディスクドライブと同様(弱い) 他のメディアよりは弱いが、持ち運びが前提の規格なので、考慮はされている
ディスクサイズ ハードディスクドライブと同じか大きめ(トレイを着けたままでは大きくなる) MOのディスクより少し大きめ~MDより少し大きめ
ディスク重量 読み取り装置、電源ユニット等も内蔵される為重い ディスクのみで構成される為軽い(規格によっては他の部品も含まれる)。但し他のメディアよりは重い。
記憶容量 内蔵するハードディスクドライブに由る (20GB~200GB前後) 使用する製品に由る。REVの場合35GB、iVDRの場合は30/40/80GB。
アクセス速度 ディスクに由る(5,400rpm~7,200rpm前後) 4,200rpm(REV/iVDRの場合)

以上の比較から、リムーバブルケースは大容量のデータをディスク毎に分類する目的に適し、持ち運びにはリムーバブルハードディスクが最適と言える。 また、高いパフォーマンスが必要であればリムーバブルケースが望ましい。用途に合わせて選択すると良いだろう。

問題点

品質

ハードディスクドライブは、その製造過程に於いて高度なクリーンルームや良質の磁性体、潤滑剤等の品質に左右されている。これらの事柄が要因となってドライブのロット不良を起こす場合がある。これに対し、大手パソコンメーカー等では1つのパソコンモデルに対し、2~3社の同一容量のドライブを採用し、危機分散を行っている。

製品寿命

S.M.A.R.T.で計られ、MTBF(平均故障間隔)やMTTF(平均故障時間)として推測される。一般に温度が高いほど寿命は短くなる。使用環境や製造ロット等に大きく左右されるが、同一ロットの製品でも個体差が大きい為寿命は一概には言えない。

ハードディスクは製品寿命が用途の重要性に照らして極めて短く、その稼動頻度から考えて「壊れ易い物」「消耗品」と断言出来る。凡そ磁気記憶装置が発明された時代から常に、バックアップデータ保全上の至上命題である。ある統計では約80%の利用者がハードディスクのデータ喪失を経験している。また近年、ハードユーザーの間で話題となったRAIDも一般的とは言えないが、この問題に対する対策の1つである。一般ユーザーレベルでも重要なデータをCD-RDVD-R等の外部メディアへの保存をこまめに行う重要性が古くから唱えられている(この方法でもメディアの耐久性や保存環境等に注意する必要がある)。

ドライブの製造期間は短い物で3ヶ月、長い物で1年程度である。かって通産省指導により性能部品等の保存期間を家電メーカーらが自主的に定め遂行した例(家電メーカー自主による製造終了後7年間の保守パーツ在庫保持など)はあるが、コンピュータを含む通信機器メーカーはその対象ではなかった。この為、パソコンメーカー等では修理部品の確保が難しい場合が多く、修理作業自体にかかる手間(故障したドライブの修復を行う専門業者も存在するが、かなり割高な代金となる事が多い)やドライブの価格低下が激しい事情も合わせて、故障した製品の代替に新品を送る事で対応する例も珍しくない。

衝撃

ハードディスクは落下等の強い衝撃を受けた場合、ヘッドが円盤面に衝突して円盤に傷が付いたり、モーター内のベアリングが変形したりしてデータの読み書きが不能となる場合がある。特に動作中の落下が故障し易い為、携帯用途で使用されるハードディスクを内蔵した製品を扱う場合は強い衝撃を与えないように注意を払う必要がある。

一部のハードディスクは加速度センサーを内蔵し、自由落下を検出するとヘッドをディスクから引き離して破損を予防する機能が付加された。PowerBookなどではディスク外部に加速度センサーをもうけ,同様の機能を実現している。これらの要因により、ハードディスクの用途は大きく広がり、2006年には携帯電話への搭載も実現した。フラッシュメモリが主力となっている組み込み機器においても、何度でも書き込める・大容量である・容量辺りの単価が安い・汎用OSが使えるという利点から進出が期待されている。一方フラッシュメモリに比較すると、消費電力が多い、小容量ではコスト高になる、厚みがかさばるという難点もある。

データ漏洩

ハードディスクはその殆どの物が本体内部(特にノートパソコンの場合は奥の方にある場合もある)に内蔵されているため、そのまま処分すると中身のデータを盗みとられてしまう危険性がある。特にデータ容量の大きいハードディスクドライブでは消し忘れ等があったり、また通常のフォーマットやリカバリでは完全には消去されずファイル復帰ユーティリティーで復元される可能性がある。売却・廃棄をする際は市販またはフリーウェアの消去ソフトで完全に消去すると良い。データが残ったまま故障した場合はハードディスクそのものを物理的に破壊するしかない(コンピュータ本体ごと破壊してもハードディスクが破壊されていなくては無意味である)。漏えいが重大な問題になる場合も、消去ソフトで消去するより物理的に破壊する方が望ましい。 プラッタがガラスでできていれば金槌で簡単に破壊できる。

盗難等によるデータ漏洩を防ぐには、データに暗号化をかけてたとえハードディスクを盗難されても復元できないようにしておくことが重要である。

主な製造企業

関連項目


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