北海道新聞






thumb|280px|北海道新聞社本社ビル北海道新聞(ほっかいどうしんぶん)は、北海道新聞社(本社・札幌市中央区)の発行する北海道の日刊新聞。愛称は道新(どうしん)。ブロック紙に分類される。新聞事業令に基づく1942年の新聞統制の結果、旧北海タイムス・小樽新聞・函館新聞・釧路新聞など道内各地11紙が統合して誕生。以降護憲に足場を置いた独自の論調と、地域に密着した記事等でさらに部数を伸ばした。
現在の発行部数は、朝刊約120万部、夕刊約70万部(ちなみに北海道の総世帯数は約230万)で、北海道内では新聞購読世帯のシェア70%と圧倒的な影響力を持つ。特に1998年にライバル紙北海タイムス(戦後創刊、戦前の同名紙とは別)が自己破産し廃刊すると、系列放送局(北海道放送、北海道文化放送、テレビ北海道、エフエム北海道)を含めたネットワークによって北海道マスコミで独占的な地位を確立した。全国的にみてもブロック紙の中では中日新聞に次ぐ規模で、東京でも中央省庁の全記者クラブに加盟しほぼ常駐するほか、海外9都市にも支局を持つ。
大企業、財界批判の一方で北海道新聞社の年間売上高は750-760億円で新聞業界第6位の規模を誇る。2005年3月期決算では当期利益35億円をあげ、全国紙の毎日新聞社、産経新聞社を抜き、業界第5位だった。また、関連事業の多角化として、プロ野球パ・リーグの北海道日本ハムファイターズや、サッカーJ2のコンサドーレ札幌にも出資。特に北海道日本ハムファイターズの札幌フランチャイズ化はグループあげてキャンペーンを展開した。読売新聞社、中日新聞社に次ぐ球団経営の本格参画を図るとみられている。
歴史
報道姿勢と特色
60年安保の騒乱の最中、大手新聞社7社によって出された共同宣言「暴力を排し、議会政治を守れ」に同調しなかったことや、1999年に農林水産省が大臣記者会見の場に日の丸を置こうとしたところ、朝日新聞、共同通信社、北海道新聞の記者が拒絶したことでも知られている。1976年に函館空港で発生したベレンコ中尉亡命事件での亡命後の本人追跡インタビューや、1988年のソウル・金浦国際空港爆破事件直後のスクープ写真、1989年にはソビエト連邦(現ロシア)支配下の北方領土・国後島に西側報道機関で初めて取材を敢行するなど、全国紙に比してもロシアを中心に伝統的に極東アジア報道に強い。中国・韓国寄りの報道が多いため偏向報道と批判されることもある。また、北海道教職員組合寄りの報道が多いため教育問題には弱いという意見もある。しかし、一連の道庁不正、警察裏金報道、北海道拓殖銀行破綻後の緻密な経済取材、地元紙ならではの強みを生かした地域密着型の記事などで道民の信頼は他の日刊紙に比べ厚い。2004年には道警の不正事件を紙面で追及し日本新聞協会賞、第52回菊池寛賞を受賞した。2006年には共同通信社・加盟新聞社代表団の一員として北朝鮮を訪れ、「拉致被害者家族の気持ちを踏みにじる行為」として批判された。
朝刊
朝刊は休刊日(主に月曜日で前日の日曜日に新聞制作・発行を休止 そのほか毎年1月2日にも休刊日あり)を除き毎日発行、主な内容は以下のとおり。
- 天気
- 1面に掲載されることが多いが、1面記事によっては別面に掲載されることもある。
- 道内17地点(札幌、小樽、岩見沢、函館、江差、室蘭、苫小牧、浦河、旭川、留萌、稚内、紋別、網走、北見、帯広、釧路、根室)の時間別気象と3日後までの気象を掲載
- 道外主要都市(青森、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇)の3日後までの気象についても掲載
- 卓上四季(コラム)
- 社説
- 3面に掲載(2006年6月1日現在、2面の時期もある。)
- 読者の声・どうしん川柳(投書欄)
- その日によって変わるが、大抵4~10いずれかの面に掲載
- 株価(東証1部、東証2部、マザース、札証、ジャスダック、ヘラクレス)
- いずみ(女性向け投書欄)
- 易八大のきょうの運勢
- AMラジオ(HBC、STV、NHK第1・第2の順)、FMラジオ(NHK、AIR-G’、FMノースウェーブの順)、ラジオ日経、BSデジタル放送(NHKBSハイビジョン、BS日テレ、BS朝日、BS-i、BSジャパン、BSフジ、スターチャンネルの順に掲載)、WOWOW、CS放送 J SPORTS1、2、NHKデジタル教育テレビジョンサブチャンネルの番組欄
- おくやみ(全道について掲載 以前は発行地域ごとに異なっていた)
- 地方欄
- 道内各地方のローカル記事掲載面、分量にして3~4面分に相当する。
- 札幌及び同近郊の場合、「札幌」「札幌圏」として掲載
- 映画館案内もこの欄に掲載される。
- 地域によりコミュニティーFM局の番組欄も掲載されている
- しんぶん語
- ほのぼの君(佃公彦 作)
- テレビ番組欄(地上波はNHK総合・教育、UHB、HBC、STV、HTB、TVHの順に掲載 BSはNHKBS1、BS2を掲載 以前、地上波は年代によりHBC、NHK総合・教育、STV〈後にHTBも追加〉の順、UHB、NHK総合・教育、HBC、STV、HTBの順、NHK総合・教育、UHB、TVH、HBC、STV、HTBの順に掲載されていた時期もある)休刊日前日は2日分の掲載のためラジオ欄とともに掲載ページを移動することがある。また、北見版のテレビ欄では、網走管内全域でTVHが直接受信できないため、TVHの欄のところは、ポスフール北見などの地元網走管内の広告に差し替えられている。
夕刊
夕刊は日祝日および年末年始(12月30日~1月3日)を除き毎日発行(月曜日の朝刊が休刊日でも夕刊は通常通り発行)、主な内容は以下のとおり
- あすからの天気
- 道内17地点(札幌、小樽、岩見沢、函館、江差、室蘭、苫小牧、浦河、旭川、留萌、稚内、紋別、網走、北見、帯広、釧路、根室)及び東京の翌日並びに向こう5日間の天気予報
- 今日の話題
- はいはい道新
- 土曜日を除く毎夕刊に掲載
- 電話により投書を行う方式で、紙面上には氏名が掲載されない。
- ご近所関係に係る不満や官公庁等に対するクレームの掲載が多い。
- ニュースな言葉
- きのう きょう あす 地方版から
- その日の朝刊各地方版に掲載された記事から注目記事をピックアップして掲載
- ウチのげんき予報(新田朋子 作)
- 社会面に掲載している4コマ漫画
- 朝刊の「ほのぼの君」と異なり、数年に1度のリニューアルで掲載漫画が変わる。
- テレビ番組欄
- 北見版、釧根版では、TVHが網走、釧路、根室管内全域で直接受信できないため(釧路ケーブルテレビで受信している人を除く)、それぞれ、TVHの欄のところが地元管内の企業の広告に差し替えられている。
スキャンダル(編集の根幹に関するもの)
- 1989年10月31日、東京・永田町の料亭で鉄骨メーカー共和副社長と阿部文男北海道開発庁長官(両者とも贈収賄「共和事件」でその後、逮捕、起訴、実刑確定)が北海道新聞社常務と面談し、阿部と長嶋茂雄氏の対談記事を掲載要求。後日、共和幹部が北海道新聞社の役員室に現金入り封筒を置いていった(常務は翌日返したと主張)。常務から紹介された論説副主幹は「座談会記事は掲載価値がないが長官室での懇談ならば話題性があり記事になる」と助言をし、車代名目で現金を受け取った。その後、論説副主幹は担当記者に懇談の記事化を指示し、12月14日の朝刊に掲載。さらに、1990年2月には北海道新聞が取材していた阿部被告の献金要求疑惑について、同支店幹部に対し取材状況を説明した。この常務と論説副主幹は1992年1月、東京地検特捜部から参考人聴取された。両者は北海道新聞社を退職したが、関連団体に天下った。
- 1997年に函館市で創刊された日刊紙「函館新聞」に対して、北海道新聞社が、時事通信社、系列の放送局や大手製紙会社などに同社と取引しないよう働きかけ、妨害行為を実行したとして、独占禁止法違反の疑いで、公正取引委員会から排除勧告を受けた。(函館新聞の「函館新聞の題字論争」の項参照。)
- 1999年10月19日夕刊社会面トップに掲載した「元調理師のJリーガー誕生」が虚報だったとして、記事全文と写真を取り消した。記事は、ニセコ町のホテルに勤めていた調理師がジュビロ磐田の入団テストに合格し、プロでの活躍に闘志を燃やしているとの内容だったが、ジュビロは入団テストを行っておらず、男性の入団予定の事実もなく、まったく確認せずに記事化していた。
- 2000年2月、道央地方の支局に勤務する女性記者が警察署長からセクハラを受けたとして「警察署長が知り合いの女性会社員に酔ってセクハラ」と自社の社員であることを伏せて社会面で大きく報道。この署長が北海道警察の監察室の取調べを受け自殺した。
- 2003年10月6日の朝刊1面と社会面で、出光興産北海道製油所(苫小牧市真砂町)が、原油漏れの隠蔽工作を行っていたと報道。だが、そのような事実は存在しないことが後日判明し、23日朝刊で「不十分な取材に基く慎重な分析と検討を怠った報道」と謝罪した。
- 2004年10月30日の夕刊で、イラク人質事件に関する共同通信社の誤報記事を1面トップで扱い、後に訂正記事を出し関係者を処分した。有力加盟紙である北海道新聞が処分を先行させたため、共同通信社は編集局長らを更迭せざるを得なくなった。
- 2005年7月16日の朝刊一面で、さっぽろ雪まつりの真駒内会場に代わる新会場が中島公園に決定したと報道。だがこの時点では、新会場についてはまだ協議中の段階で、8月末にサッポロさとらんどが新会場として正式決定したが、この飛ばし記事に対する道新側の訂正・謝罪は行われなかった。
- 2005年9月6日の室蘭や北見地区の朝刊に、1ヶ月前の東証1部株価表を誤って掲載。
- 2005年3月13日の紙面で、北海道警察と函館税関が覚せい剤の「泳がせ捜査」に失敗し、大量の覚せい剤と大麻が北海道内に流入した疑いがあると報道したが、「泳がせ捜査」の実態が確証あるものではなく、伝聞に基づく「不適切な記事」だったとして、2006年1月14日の朝刊で「おわび」の記事を掲載。しかし記事の訂正には応じない姿勢を示したため、道警が記事の削除と結果説明を要求。また、毎日新聞などによる、道警との文書のやり取りの開示要求も拒否している。
- 2006年6月朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の報道によると、菊池育夫社長に対し、道新スポーツの鎌形敏雄社長が、文書で退陣を要求していたことが判明。道警と対立し、取材活動に支障が出ていることや、社員の経費着服などで社内が混乱していることについて社長の責任をとるよう求めたという。
スキャンダル(凶悪犯罪、横領)
- 2004年には室蘭支社で営業部次長が20年近くにわたり1億円以上の広告費を横領するという不祥事があった。公判で元次長は、横領した金は複数の愛人の生活費や、暴力団仲間とのバクチに使ったと証言。さらに、元次長の長男が「学校でいじめにあったところ、父と暴力団員が相手の家に脅しにいってくれた」とまで証言した。元次長は実刑判決を受け確定。
- 2005年10月には元広告部長が営業活動費約500万円を着服していた事が発覚した。元部長の処分は行われず、割り増し退職金が支給され、通常退職した。警察にも被害届は提出せず、告発もなし。
- 2006年4月函館で新聞配達員が学童保育施設の玄関ポストに、「ガキを皆殺しにするぞ」などという内容の紙片を投げ込み威力業務妨害の疑いで逮捕された。
- 2006年6月経費の着服により函館支社販売部次長と本社事業局員を懲戒解雇した。次長は約1500万円、事業局員は約620万円の着服。事業局員は2006年3月に労働組合の経費からおよそ40万円を着服して停職処分をうけたばかり。これも警察に被害届は提出せず、告発もなし。
- 2006年7月、森町の住宅に新聞配達員が侵入し現金1万数千円を盗んだとして逮捕。さらに、北見市でも配達員が同市の62歳の無職女性方で、女性が自宅玄関前に置いた現金数千円などが入ったバッグを盗み、車で逃げた。女性は車のサイドミラーにしがみついて、止めようとしたが、数メートル引きずられて転倒し、ひじやひざなどに軽傷を負った。
営業拠点
thumb|270px|北海道新聞東京支社がある共同通信会館
本社
札幌市中央区大通西3-6
支社
東京、大阪、函館、旭川、釧路、帯広、北見、苫小牧、室蘭、小樽
このうち函館、旭川、釧路を「発行支社」と呼ぶ。
東京支社は編集局(政経部、社会部、国際部)、広告局などを置く大規模なもので、国政・財界・海外情勢などの取材・編集拠点となっている。
総局・支局
岩見沢に総局。千歳、名寄、稚内、留萌、網走、紋別、夕張、富良野、中標津などに支局
印刷拠点
札幌、函館、釧路、音更、旭川
札幌本社版は北広島市大曲工業団地内にある自社工場と札幌市西区宮の沢にある道新オフセットで印刷。函館版は函館支社工場、釧路版の釧路・根室地方向け(釧根版)は釧路支社工場、旭川北見版の網走・北見地方向け以外(旭川版、紋別地方向けは北見版)は道新旭川印刷、釧路版の十勝地方向け(帯勝版)と旭川北見版の北見・網走地方向け(北見版)は道新音更印刷で印刷している。
海外駐在
ソウル、北京、シンガポール、カイロ、パリ、ロンドン、ワシントン、モスクワ、ユジノサハリンスク、ポートランド
自社の海外支局に加え、中日新聞社、西日本新聞社との間で海外取材網を相互補完的に利用している。
関連施設
関連会社
関連項目
外部リンク