007は二度死ぬ






『007は二度死ぬ』(ダブルオーセブンはにどしぬ、英題You Only Live Twice)は、イアン・フレミングの長編小説。また 007シリーズ第5作目、1967年封切りのイギリス映画。ユナイテッド・アーティスツ提供。
概要
初の日本舞台作品
1964年に発刊されたイギリス人作家イアン・フレミングの小説「You Only Live Twice」をもとに、アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンの共同製作、ルイス・ギルバート監督の元 1967年に製作された。脚本はイギリス人作家のロアルド・ダール。007シリーズ映画の第5作で、当時の日本におけるシリーズの人気に応える形で、初めて日本が舞台となった作品である。
その荒唐無稽なストーリーと(後年に振返って見れば)稚拙な特撮、日本文化の表現がめちゃくちゃなどの理由で、007マニアからは「シリーズ有数の駄作」と言われている。しかし、それゆえのファンも多く、イギリスの人気コメディ映画「オースティン・パワーズ」シリーズでは多くのシーンが引用された。ボンドカー(実際はボンドは助手席に座っていたが)として、コンバーチブルに改造された特注のトヨタ・2000GTが登場するのはあまりにも有名。高度経済成長期真っ只中の東京を中心にロケが行われたため、当時完成したばかりの東京メトロ丸ノ内線や千代田区紀尾井町のホテルニューオータニ、富士スピードウェイなどのおなじみの風景が随所に出てくる。
また、映画の撮影中(1966年3月5日)に、イギリスに帰国する途中の関係者が英国海外航空機空中分解事故(英国海外航空のボーイング707型機が富士山山ろくに墜落した事故)で死亡したり、ヘリコプターの空中戦の撮影シーンでカメラマンが片足を切断する事故に遭うなど、歴代の007作品の中でも関係者の事故が多い作品として知られる。
ストーリー
謎の宇宙船
アメリカとソ連の宇宙船が謎の飛行物体に捉えられるという事件が起こり、米ソ間が一触即発の状態になるものの、イギリスの諜報機関であるMI6はその宇宙船が日本から飛び立っているという情報をつかむ。その情報の真偽を確かめるためにショーン・コネリー演ずるジェームズ・ボンドがMI6により日本に派遣されることになる。
007は二度死ぬ
優秀なスパイとして知られるボンドは、敵の目を欺くために一度香港で殺されたことにされ、その後イギリス海軍の潜水艦で隠密裏に日本へ上陸。日本上陸後は、第50代横綱佐田の山の手引きで若林映子演ずる謎の女「アキ」と会い、在日イギリス人の協力者にようやく出会うものの、会った直後に彼が殺されてしまう。
多彩な登場人物
その後も日本の情報機関の影のボスとして丹波哲郎が登場する他、初の日本人ボンドガールとして若かりし頃の浜美枝が登場し、日本人に化けたボンドと結婚したり、丹波哲郎演ずる日本の諜報機関(原作「007は二度死ぬ」ハヤカワ・ミステリ文庫では公安調査庁)のボスの移動手段がなぜか丸ノ内線の専用車両だったり、特殊部隊の訓練場が姫路城(※実際の撮影時に、内壁を損傷させ厳重注意を受けている)だったり、さらに特殊部隊が忍者だったりと、(特に日本人にとっては)ストーリーはともかくいろいろな意味で楽しめる作品である。
キャスト
製作
監督
脚本
主題歌
ロケ地
都内
国内
海外
その他
- 「世界一有名だが変装はしないスパイ」といわれるボンドだが、本作では日本人になりすますため変装を用いている(後の作品ではピエロに変装したりもする)。ただし、映画化された際のショーン・コネリーのメイクを見る限り、あまりうまく化けたとは言えない。
- ボンドの結婚は「女王陛下の007」でのテレサ(トレーシー)との一度きりだが、本作でのキッシー鈴木との偽装結婚もあわせて厳密には二度。なお、ジョン・ピアソンの仮想ボンド伝によれば、キッシーはのちにボンドの子を出産、ボンドが名乗った偽名から太郎と名づけたことになっている。「鈴木太郎」氏は2005年現在40歳前後であるはず。
- 海女の少女役で、松岡きっこがほんの数秒出演しているが(ボンドの操縦する小型のオートジャイロを見上げる役)、この僅か数秒の出演でさえ厳しいオーデションがあったと本人が語っている。
- 原題はフレミングが来日した際に読んだ、松尾芭蕉の俳句の上の句を英訳したものに由来しており、原作の前書きにも記されている。
- 撮影地の一つ・鹿児島県坊津はなぜか「神戸と上海の間にある”島”」として登場(実際は陸続きである。確かに坊津は「神戸と上海の間」ではあるが、あまりに広く、適切な表現だとはとても言えない)。撮影はハリウッドらしく、町民の長年の陳情によって前年に作られたばかりのコンクリート製桟橋が一夜にして「映画の雰囲気に合わない」とされて撤去、勝手に木製の旧式に作り替えられるなど、かなりのトラブル続出だったらしい(「探偵!ナイトスクープ」の取材による。ただし、撮影終了後は全て元通りに直したとの事)。現在は町を見下ろす高台にショーン・コネリー、丹波哲郎らのサインの入った記念石碑が建てられ、観光スポットとなっている。
- 神戸の第7突堤で撮影されたスポットは阪神大震災で倒壊してしまった。
- その神戸での格闘シーンで、かつて笑点の座布団持ちで親しまれた松崎真が出演している。
- また大里化学(ホテルニューオータニ)で格闘する相手は、帰ってきたウルトラマンでスーツアクターを務めるきくち英一である。氏はショーン・コネリーに殴られた時は流石に痛かったと述懐されているらしい。
- 映画が制作公開されてから約10年後の'70年代にテレビ放映された際、丹波哲郎や浜美枝ら出演者本人が日本語吹き替えを行って話題になった(原盤は英語)。ただし既に女優を引退していた若林映子はアテレコに参加していない。
関連項目