欽ドン!
欽ドン!(きんどん)とは、1970年代から1980年代にかけて、フジテレビ系列で放送された萩本欽一司会のバラエティ番組の略称、総称である。また、それらの番組を生むもととなったニッポン放送のラジオ番組(欽ちゃんのドンといってみよう!)の略称でもある。以下、その両方について記述する。 | ||||||||||||||||||||||
1975年4月5日~1980年3月、毎週土曜19時30分~20時54分に放送
1970年代中期、視聴率で劣勢続きだったフジテレビが、高視聴率を誇るザ・ドリフターズのお化け番組「8時だョ!全員集合」(TBSテレビ)に対抗し、欽ちゃんこと萩本欽一を起用した番組で土曜夜8時枠で挑戦。
フジテレビ「欽ドン!」の枠は以前、坂上二郎とのコンビによる「コント55号の世界は笑う」を放送。55号初のゴールデンタイム番組として視聴率30%以上を誇るも、後発の「8時だョ!~」の追い込みによって結果的には主役の座を明渡すこととなった。よって同時間帯においての「欽ドン!」のスタートは、萩本個人としても初めての企画・主演番組であったこともあり、相当の気合を込めて制作された。
また、第1回放送後、スタッフの電話によって「17.1%」という初回にしてはいきなり高視聴率の結果を知った萩本は受話器を握り締め涙したと伝えられる。綿密に計算されたコント中心の『8時だョ!』と異なり、「欽ドン!」は視聴者からのハガキ投稿を中心に得意のアドリブ主体によって番組は構成。
NGでも面白がって放送してしまう手法は、後の土8枠を彩る「オレたちひょうきん族」への礎となり(欽ドンを担当したディレクター・三宅恵介をはじめスタッフ、作家陣も多数『ひょうきん~』に参加)、以降同枠に続く「めちゃ×2イケてるッ!」をはじめとするフジのバラエティ番組の伝統的手法となる。番組で採用されたハガキには面白かった順にバカウケ/ややウケ/ドッチラケのランク付けをされていた。これが『欽ドン!』の代名詞『良い・普通・悪い』の歴史のはじまりであった。
この番組で、萩本欽一は、前川清とコント54号としてコンビを組んだ。もともとは上記ラジオ番組のヒットから企画を起こし、1974年秋にテレビ化トライアル番組「欽ちゃんのドンといってみよう!ドバドバ60分!」を放送。
しかしこの番組は視聴率は一桁と振るわず惨憺たる結果を生んだが、意外にも業界内での好評を得たことによって、翌1975年の春よりレギュラー化された(当初、初期の正式タイトルは『萩本欽一ショー・欽ちゃんのドンとやってみよう!』)。尚、1977年4月~8月までの5ヶ月間は萩本の企画構想期間として同番組は一旦中断。伊東四朗らをメインキャストとした、同じく三宅恵介ディレクターの「がんばれ!ピンチヒッターショー」が放送された。
開始当時は「8時だョ!全員集合」が荒井注のドリフターズ脱退などで低迷期にあったため、そこそこの視聴率を稼いでいたが、「8時だョ!全員集合」が人気を盛り返してきたことと、7時半からの30分も「クイズダービー」が力をつけており、さらに末期にはあばれはっちゃくシリーズも登場したことから視聴率が下がり、1980年3月に終了。以降、フジテレビの土曜夜7時半は長い冬の時代に入る(その際、夜7時半にアニメ枠を、夜8時に1時間のドラマ・バラエティ枠【「土曜ナナハン学園危機一髪」(これのみ90分番組)→「ピーマン白書」→「小さな追跡者」→「オレたちひょうきん族」】をそれぞれ当てられた)。オレたちひょうきん族は土曜8時戦争を制したが、その前の30分は惨憺たる有様で、1985年10月に始まった「ハイスクール!奇面組」までの5年半はどの番組も半年以内で打ち切られている。「クイズダービー」と「あばれはっちゃく」の両番組が高視聴率を出していた谷間で低迷することになった。
1981年4月6日~1983年9月12日、毎週月曜21時00分~21時54分に放送。
よくある家庭をベースにしたセットで、前番組の人気コーナーであった『母ちゃんと子供の会話』と「三段落ち」を組み合わせたような、父親役の欽ちゃんに息子の「フツオ」「ヨシオ」「ワルオ」との会話で笑いをとった。会話は視聴者からの投稿がベースであった。
前身となった「欽ちゃんのドンとやってみよう!」が一応の成果を収めて終了し、次の段階を伺うべく、再びラジオの世界に戻った萩本が、ニッポン放送で開始した「欽ちゃんのここからトコトン!」内で再び聴取者からのハガキ投稿コーナーを開始。ある日の放送で、ラジオのスタッフにいた若手作家によって放送台本の片隅に、その週のテーマとして何気なく書かれた「良い子悪い子普通の子」という文字を見て、萩本は「コレだ!」と次への構想をひらめく。これが人気番組、最初の第一歩であった。
早速企画書にまとめあげた萩本は、フジテレビ以外の各局を駆け巡った。しかし「放送枠がない」「次の改編に間に合わない」という理由で却下されてしまい、最後にかけあったのがフジテレビであった。
当時、萩本はフジで「欽ちゃんの9時テレビ」(1980年10月13日~1981年 月曜夜9時放送)というバラエティ番組の司会を担当していたが、視聴率的にも不振であったことから番組の降板を申し出ていたところであった。しかし局の編成担当者は「元々、フジの月曜夜9時は、開局以来20年間不振の枠なので数字のことは気にせずに。それよりも月9枠は、向こう10年は欽ちゃんに任せたから」と、萩本にとっては何物にも変え難い信頼の言葉を得ていたこともあって、一瞬のひらめきから「スグにでも番組化できる」と自信を持った萩本と、1981年の春改編にも間に合うかというフジの具体的思惑が一致したことから番組は開始された。
後に最高視聴率30%以上を誇る人気番組に成長した「欽ドン!」を見て、以前に企画書を提出されていたフジ以外の放送局は、そのチャンスを逸した意味で苦虫を噛み潰しながらその人気ぶりを注目したといわれている。
三人の息子役は一般オーディションで選出された。オーディションが終了した時点では、普通の子に山口良一、良い子に西山浩司が選ばれており、悪い子は該当者無しで、長江健次はオーディションに落選していた。悪い子の配役が決まらず困っていたスタッフがオーディション会場に居残っている長江を見つけて、配役を変えて試したところしっくりきたため、上記の配役に決定した、というエピソードがある。
フツオ、ヨシオ、ワルオの3人がイモ欽トリオを結成、『ハイスクールララバイ』(フォーライフ・レコード)でレコードデビュー、大ヒットする。当時、レコードの歌詞カードに記載されていたプロフィールで、山口良一の生年月日が、他の二人より年上だったことから『不明』とされていた。
フツオ役は途中から、後藤正に交代、のちに、フッくん(沢村雅彦)、ツッくん(大野豊)、オッくん(境田晃一)の3人になった。(後にオッくんのみに)
良い妻、悪い妻、普通の妻では、「よしこ」「わるこ」「ふつこ」の三役を中原理恵が演じた。だが、当時中原が不倫騒動を起こし、萩本欽一が激怒したため途中降板した。
後に新キャラクターとして、OL3人組が登場、『よせなべトリオ』としてデビュー。歌番組に出演することもあったが、松居抜きのときが多かった(松居はデビュー当時中学生で、18歳未満の者の21時以降の就業を禁じた、労働基準法の従来規定に抵触していたため)。
番組の後半は萩本が白衣姿の博士、レギュラーメンバーが門下生に扮して、テーマ自由の「良い、悪い、普通」を発表する「萩本博士の研究レポート発表会」のコーナーが放送された。 また、萩本と車だん吉が名作映画の一場面を再現して笑いをとるコントが随時挿入された。
この時期「欽ドン!」と「欽ちゃんのどこまでやるの!?」(テレビ朝日系)、さらに「欽ちゃんの週刊欽曜日」(TBSテレビ系)とヒット番組をかかえ、その合計数字から欽ちゃんは「視聴率100%男」の異名を取った。
1983年9月19日~1985年5月6日、毎週月曜21時00分~21時54分に放送。
これまでのメンバーに『おまけの子』ゆみこ(遠藤由美子演ずる)が加わる。
余談であるが、「おまけの子」役となった遠藤には、「おまけの子」のオーディション当日にトイレを我慢しながらオーディション会場へ駆け込んだ際、こともあろうに審査委員長であった萩本に向かっていきなり「トイレはどこですか?」と尋ね、その度胸を萩本が気に入ったため採用された、というエピソードがある。
新キャラクターとして、先生3人組が登場。後に『おまけの教頭』も登場。(~1984年12月10日)
後に先生に代わり刑事となる。(1984年12月17日~)
良いお婆ちゃん悪いお婆ちゃん普通のお婆ちゃんおまけの妻では、山口良一がお婆ちゃん三役を演じ、おまけの妻を志穂美悦子、お爺ちゃんを西山浩司が演じた。
下宿人(~1984年12月10日)
娘(1984年12月17日)
(→BASEBALL L!VEの項を参照)
1985年10月7日~1986年4月28日、毎週月曜21時00分~21時54分に放送。
基本コンセプトは同じで、旅館編(宮川大助・花子が出演)などが放送された。
1986年5月5日~10月27日、毎週月曜21時00分~21時54分に放送。
シブがき隊がレギュラーに参加。ステージ上でのコントに加え、観客を入れずに収録する形式のコント(教師編など)が加えられた。
1986年11月3日~1987年2月9日、毎週月曜21時00分~21時54分に放送。
前半は電話による視聴者参加ネタコーナー、後半は視聴者からの投稿ハガキやゲストが紙相撲を持参し、それを元にデザインした着ぐるみを関根勤、ジミー大西、当時まだ大阪でも大ブレイクする前のダウンタウンが着て、等身大の紙相撲となって対戦する、という構成で放送された。審判部長をジミーの師匠のぼんちおさむが務めた。また、放送開始2カ月前の全国高等学校クイズ選手権でボケ解答を連発して一躍有名になった相馬高校の生徒がレギュラー出演者となったが、ほとんど発言の機会はなかった。 欽ドン!史上最も大幅なリニューアルとなったが、視聴率は不振を極め(後に島田紳助がダウンタウンに向かって「ハッケヨーイ終わった」と揶揄する発言があったほどである)、わずか3ヶ月で終了した。
1987年2月16日~3月23日、毎週月曜21時00分~21時54分に放送。
後枠が現在も続くドラマ枠に決まった為、「欽ドン!シリーズ」最末期に放送された。
欽ドン!、欽ちゃんのどこまでやるの!?、欽ちゃんの週刊欽曜日が放送されていた1983年には、フジテレビ、テレビ朝日、TBS各局が垣根を越えて、春・秋・年末の改変期に持ち回りで、3番組が合体した欽ちゃんファミリー総出演の特番を放送された。なお春を担当したフジテレビは「春の欽ちゃん祭り・欽ドン!欽どこ!欽曜日!3つまとめてドン!」。
1994年に「新春オールスター 欽ドン! 同窓会スペシャル」が放送された。
最初のテレビ「欽ちゃんのドンとやってみよう!」のヒットを受け、ラジオの「欽ちゃんのドンといってみよう!」のものも合わせたコント集が集英社から刊行され、これもベストセラーとなった。(続編がNo.3まで出た)
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についての Wikipedia
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