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毛 沢東(もう たくとう、Máo Zédōng マオ・ツォートン。1893年12月26日(光緒19年11月19日) - 1976年9月9日)は、中国政治家思想家中国共産党の創立メンバーの一人で中華人民共和国建国の父であり、死に至るまで最高実力者の地位を保った。

毛沢東
毛沢東
ピンイン表記 Máo Zédōng
簡体字表記 毛泽东
片仮名転写 マオ・ツォードン

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生い立ち

1893年に、湖南省湘潭県韶山村の地主の家庭に生まれる。生家は地主といっても小規模なものであり、毛沢東は厳格な父によって子供のうちから労働に従事させられる。小学校を卒業後、家業を手伝い、14歳で最初の結婚をするが数年で妻は死去。

その後、従兄から贈られた中国近代化を説く本に刺激をうけて16歳で故郷を離れ、いくつかの学校や地方軍などを転々とし、アダム・スミスモンテスキューなどの社会学系の書物に触れる。1918年、湖南省立第四師範学校を卒業し、恩師を頼って北京に上京。大学図書館に勤めるかたわら『新青年』の熱心な寄稿者となる。

教師時代

1919年、帰郷して長沙の初等中学校で歴史教師となり、『湘江評論』を創刊するが四号で省政府から発禁処分を受ける。このころ新式学校の設立を計画したり陳独秀李大釗と会ったりしており、1920年には長沙師範学校付属小学校長になると同時に啓蒙的な書籍を扱う出版社を設立している。父の遺産や事業による収入はかなりのもので、毛沢東の生活は安定していたといわれる。同年恩師の娘楊開慧と結婚。

中国共産党創立

1921年中国共産党の創立メンバーとして第一回大会(中共一大会議)に出席し、以後そのリーダーシップを生かして労働組合オルグに力を注ぐ。コミンテルンの指導に従って国共合作に重要な役割を果たすが、1927年上海クーデターで国共合作が崩壊すると毛沢東は配下の農民兵と共に孤立し、家族とも離れて湖南江西省境にある井岡山に立て籠もることになる。この根拠地に潜伏中に地元の名家の娘賀子珍と関係を持ち、1929年には長女が誕生している。1930年妻の楊開慧が中国国民党軍に捕らえられて処刑される。同年、毛は井岡山を去り、江西ソヴィエトを建設。主席となるが、以後4年間国民党軍の執拗な攻撃にさらされる。

日中戦争時代

1934年10月18日、根拠地を放棄し、長征を開始。1935年1月15日貴州省遵義で開かれた会議(遵義会議)で党の実権をほぼ掌握する。日中戦争においては、1936年秋に陝西省延安に根拠を定め、以後自給自足ゲリラ戦を指示。消耗を防ぎながら抗日を続ける。1938年には長征時代の妻である賀子珍と離婚し元女優の江青と結婚した。

中華人民共和国建国

日本の降伏後、国民党軍を駆逐しつつ1949年1月北京に入城し、10月1日天安門広場中華人民共和国の建国を宣言した。また、同年ソビエト連邦を訪れてスターリンと会見している。建国後は国家主席として階級を撤廃した共産主義中国の建設に力を注ぐ。

しかし1956年の「百花斉放百家争鳴」運動で知識人から硬直した政策に批判をうけたため、これを弾圧するために1957年6月に批判的な知識人に対する反右派闘争を開始し、少なくとも全国で50万人以上を失脚させ、投獄した。さらに1958年から1959年まで実施された大躍進政策に大失敗し2000万人から2500万人以上の餓死者を出す。この後毛沢東の政策は次第に現実離れしていき、批判を受け付けない傾向が強くなっていく。

また、対米政策をめぐって対立したフルシチョフとも不仲で、1960年にはソ連の技術者全員が引き上げ、かつて蜜月であった中ソ関係は一気に冷え込む事となった。

文化大革命

すでに神格化が進んでいた毛沢東は1965年になると、新編歴史劇『海瑞罷官』(かいずいひかん)を「大毒草」であるとした上海の新聞『文匯報』(ぶんわいほう)の論文への支持を表明、作者の北京市副市長呉晗を失脚に追い込み、1966年には過激派青年たちの暴力行為に対し「造反有理」として支持を表明した。これらの事により、江青林彪らを中心とし、実権派(経済政策の柔軟化を唱える党員は「走資派」という蔑称のレッテルを貼られ呼称された)・修正主義者(「スターリン批判」をきっかけに個人崇拝を厳しく戒め始めた当時の旧ソ連共産党・フルシチョフ路線に倣い、毛沢東個人崇拝見直しと代替権力として党官僚強化を唱えた党員をこう呼称した)として糾弾する広汎な暴力的大衆運動であるプロレタリア文化大革命への流れが決定付けられた。

文化大革命では、紅衛兵による大量の殺戮が行われ、その範囲は劉少奇(1968年に失脚)らかつての党指導部にまでおよび、教師ら「知識人」や、中国国民党と少しでも関わりのあったものを徹底的に迫害、文化財を破壊する等の極端な左傾偏向主義運動に発展し、その犠牲者の合計数は数百万 - 2000万とも言われている。文化大革命で鄧小平劉少奇などの「実権派」を次々と退けたが、1971年林彪墜死事件以後は、鄧小平らかつて失脚した者を政権内に呼び戻しポストを与えるバランス感覚を発揮するようになったといわれている。

米中国交正常化

毛沢東が世界に注目された最後の事件は、1972年2月18日北京における毛沢東=ニクソン会談である。この日、すでに椅子から立つのにも苦労するほど健康状態が悪化していたにもかかわらず、毛沢東はニクソン大統領と握手し、同盟各国の頭越しに米中国交正常化を成し遂げたことは全世界の驚愕を呼び起こしたのだった。

なお、この国交正常化は冷戦下でソ連をけん制する必要があるアメリカと、同じくソ連との関係が珍宝島事件(ダマンスキー島事件)などで悪化していた中華人民共和国双方の思惑が一致したものであった。その後、アメリカの同盟国である日本もアメリカの後を追って中華人民共和国との国交を正常化させる。なお、アメリカも日本も中華人民共和国との国交正常化に伴い、国民党率いる中華民国との国交を断絶した。

死去

しかしその後も筋萎縮性側索硬化症の進行は止まらず、1976年9月9日、側近と主治医に見守られるなか毛沢東は82歳で死去した。毛沢東の死の直後に腹心の張春橋・江青・姚文元王洪文四人組逮捕投獄され、文化大革命は完全に終了した。遺体は現在、北京市内の天安門広場にある毛主席紀念堂内に安置され、永久保存・一般公開されている。

死後の評価

大躍進政策の失敗や文化大革命など、国を破滅の一歩手前に追い込んだ失策も数多いものの、中華人民共和国を建国した貢献は大きいとして市場経済化が進む現在も国父として崇拝されている。しかし、近代の中国政府は文化大革命などの失敗を認め始め、昔の毛沢東の神格化はだんだんされないようになっていく。以前は国歌でさえ毛沢東の偉大さをほめていたが、死後はまもなく国歌が元々の義勇軍進行曲に回復され、国歌での毛沢東をほめる言葉はなくなった。

毛沢東の言葉・思想

日中戦争時代の有名な毛沢東の言葉:

戦争という巨大な力の最深の根元は、人民の中に存在する。日帝が我々を迫害しうる大きな原因は、中国人民の側が無秩序・無統制であったからだ。この弱点を解消したならば、日帝侵略者は、我等数億の目覚めた人民群の目前にて、一匹の野牛が火陣の中に放られた如く、我等の恫喝により彼等は飛び上がらん如く脅かされるであろう。この野牛は必ず焼き殺さねばならぬ」

その他、毛沢東の思想詳細については毛沢東思想毛沢東語録を参照せよ。

中国の紙幣

  • 中国人民銀行券に現在書かれている特定人物は現在毛沢東のみであり、影響力はまだ残っていると感じられる。(100元札、50元札、10元札など)

参考文献

  • 産経新聞「毛沢東秘録」取材班『毛沢東秘録』上下(産経新聞社・扶桑社文庫)
  • 師哲『毛沢東側近回想録』(新潮社)
  • 李志綏『毛沢東の私生活』(文芸春秋)
  • ジャスパー・ベッカー『餓鬼』(中央公論新社)

関連項目

外部リンク

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