夜






夜(よる)は、太陽が地平線または水平線から上に出ていない時間、あるいは日没から日の出までのことである。逆に、太陽が地平線または水平線より上に出ている時間、あるいは日の出から次の日没までのことを昼という。
地球は、地軸を軌道面と垂直な方向から約23.4度傾けて、太陽の周りを自転しながら公転している。このため、太陽は、天の赤道から約23.4度傾いた黄道上を、1年かけて一周するように見え、太陽の赤緯が変化する。これにより、ある地点での夜の長さは1年周期で変化する。夏至の頃には、北半球では夜が最も短くなり、逆に南半球では最も夜が長くなる。冬至の頃にはこの逆になる。夜と昼の長さの変化は高緯度地域になるほど大きくなり、北緯66.6度以北、南緯66.6度以南では、太陽が全く沈まず、一日中昼となる白夜と、太陽が全く昇らず、一日中夜となる極夜が生じる。北極や南極に近づくほど、白夜や極夜が続く期間は長くなり、北極と南極では、1年のうち半分は夜が続き、残り半分は昼となる。赤道では、ほとんど昼夜の長さの変化は生じない。
日の出、日の入りの定義が、太陽の中心が地平線または水平線に重なった瞬間ではなく、太陽の上端が地平線または水平線に重なった瞬間であること、さらに地平線、水平線付近では大気の影響で太陽が実際よりも上に見えることから、春分、秋分の日でも、昼と夜は同じ長さにならず、夜が少し短くなる。
太陽が沈んだ後、または昇ってくる前に、まだ夜なのに空が明るく昼に近い状態になることがある。これを薄明という。高緯度地域では、太陽が地平線と浅い角度をもって移動するようにみえるため、低緯度地域に比べて薄明が長く続く。
夜になると、空には恒星や惑星、月などが明るく輝くようになる。昼でも見える月などごく一部の天体の観測や、流星の電波観測などを除けば、天体観測は専ら夜に行われることになる。
生物と夜
動物の中には、夜に主に活動するものと、昼に主に活動するものがいる。これをそれぞれ、夜行性動物、昼行性動物という。ヒトは元々昼行性動物であるが、火を使用し、さらに電灯などを用いるようになり、現在では昼夜を問わず活発に活動している。
植物は、昼は光合成と呼吸をしているが、夜になると動物と同じように呼吸のみをするようになる。そのため、夜になると、昼に比べて大気中の酸素濃度はわずかに減少し、二酸化炭素濃度は増加する。
人間と夜
人間は、主に昼に経済活動などを行い、夜になると睡眠をとる。特に電灯などが発明される前は、日の出とともに起き、日没とともに寝るという生活のリズムが主だった。しかし、現代では、夜になっても活発に活動するようになっている。仕事や学校を終えて、遊ぶ時間に使っている人も多い。夜も半ばを過ぎると、かなりの人が睡眠をとる時間になり、経済活動などはあまり行われない時間帯つまり深夜(夜中・夜半とも呼ばれる)となる。しかし、コンビニエンスストアなど、24時間営業する店が近年増え、この時間帯の経済活動も活発となっている。
神話と伝説
夜は家畜に被害を与える狼などの獣や盗賊などの発見と追跡を困難にすることから、危険や悪と関連付けて語られることが多い。ほとんどの天地創造の神話や伝説は、天地だけでなく、太陽と月の他に昼夜の創造を伴っている。魔法や魔術は、夜により力を発揮すると考えられていることが多い。例えば吸血鬼は夜に活動すると信じられているし、狼男は夜に狼に変身するという伝承がある。
フィクション
様々なフィクションで夜は物語の要素として登場するものの、夜が主題となっている作品は数が限られている。映画では限られたセットを有効に活用するために夜の闇を効果的に使っている作品が多い。
関連項目