聾学校






聾学校(ろうがっこう)とは、
障害児教育のための
学校の一つで、
聴覚障害の
子供(
聾児および
難聴児)の学校のことである。本稿では日本国内の聾学校について解説する。
概要
幼稚部、小学部、中学部、高等部、「高等部の専攻科」があり、入学資格(学齢など)はそれぞれ幼稚園、小学校、中学校、高等学校、高等学校の専攻科に準じている。
聾学校の教育内容は、基本的には通常の学習指導要領に準じたものとなっており、これに加えて聴覚障害児に特に必要とされる教育を行う場と定められている。以前は口話を中心としたコミュニケーション訓練の場というのが実情であったが、近年では重複障害児の激増により、聾学校に求められる教育内容は多様化している。
聴覚障害を持つと診断された子供たちを対象にした就学前教育も聾学校の重要な役割である。
日本の聾教育は、文部大臣だった鳩山一郎の指示により、長い間口話教育を主とし、手話の使用を禁じてきたが、最近は黙認あるいは積極的に手話による教育に取り組む学校が多い。ただし、初等教育から積極的に手話で教育を行う聾学校は、日本ではまだ少数である。このような状況を補完する為、現聾の成人たちによる、手話での教育を行うフリースクールも各地に増えてきている。
また、法改正により、聴覚障害、言語障害に合わせて、知的障害、情緒障害などをもつ重複障害の子どものための学級(重複障害学級)も用意することができるようになった。
聾学校はデフコミュニティの一つでもある。
聾学校の歴史
聾学校を取り巻く問題
- ろう者の教員は数が非常に少なく、ろう者教員の充実が課題となっている。
- しかし、最近はろう教師を採用する自治体も増えてきた。
- インテグレーション(統合教育)とは聴覚障害児が聾学校に通わないで、地域の学校に通うことを言う。
- 聾学校に違和感をもったり、聾学校の教育体制に不満を持った親は、自分の子供を聾学校に通わせないでインテグレーションさせる。このような親が全国に増えた結果、聾学校の生徒数は激減してしまった。ひどいところでは、先生1人-生徒1人の授業が行われているところもある。
- 口話教育の行き詰まり、手話の再評価などが元でバイリンガル教育という考え方が生まれた。
- これは、日本手話を第一言語として身に付ける。そして、それを基にして書記日本語を第二言語として身に付けさせる教育である。すなわち、日本手話と書記日本語のバイリンガルになるわけである。この考え方が日本に紹介された当初は、バイリンガル教育さえ導入されば全ての問題が解決する夢の教育法のような語られ方が横行したが、現在のところ日本国内の実践例において明確な成果の報告はなされていない。試行錯誤の段階である。
- この教育法の一変種として、「バイリンガル・バイカルチュラル教育(通称バイ・バイ教育)」と呼ばれるものがある。これは、ろう者の社会集団(ろうコミュニティ)には、「ろう文化」と呼ばれる独自の文化が存在しており、聴覚障害児者を対象とした教育においては、「ろう文化」をも教育内容とすべきだという考え方である。これは主にアメリカ合衆国で提唱されている考え方であり、バイリンガル教育において最も先進的な政策を採っているとされる北欧諸国では、この考え方は採用されていない。
- 日本においては「龍の子学園」というフリースクールと、このフリースクールと極めて深い関係にある「全国ろう児を持つ親の会」という組織が、この「バイリンガル・バイカルチュラル教育」を標榜して活動を続けている。
- 聾学校の生徒数の減少、自治体の財政悪化などの事情によって、聾学校を統廃合する動きが出てきた。
- 2002年には、東京都立足立ろう学校と東京都立綾瀬ろう学校が統廃合して、東京都立葛飾ろう学校になった。
- 2006年度には東京都立大田ろう学校と東京都立杉並ろう学校が東京都立石神井ろう学校の敷地に移転し、この年度限りで閉校となる。一方、新たにこの年度に東京都立中央ろう学校が、やはり石神井ろう学校の敷地内に開校した。さらに2006年3月末をもって東京都立江東ろう学校、同品川ろう学校が閉校となり、跡地には東京都立大塚ろう学校の分教室が開校された。
- かって受けた口話教育に不満を持った聾の成人による、手話での教育を行うフリースクールが出現した。
- 基本的な教育方針は、日本手話による教育である。このようなフリースクールは各地に増えてきている。
関連項目
外部リンク