脚本






脚本(きゃくほん)とは、
映画・
テレビドラマ・
アニメなどの映像作品や
ラジオドラマなどにおいて、その作品内容そのものを
台本形式で記述したもの。
演劇の
戯曲を、脚本と呼ぶ場合もある。
映像作品用の脚本は、シナリオと呼ばれる場合もある。
漫画作品の脚本は、漫画原作またはコミック・ライターと呼ばれる。
脚本は、その場面が「何時」「何処で」「誰が」の天人地を示す「シーン」または「シークエンス」に区切られている。シーン中には、登場人物が発する言葉である台詞と、その人物の所作や演出効果に関する記述であるト書きとが、主に記述される。
脚本は映画にしろテレビドラマにしろアニメにしろ、作品制作の土台となるもので、関係者全員が作品とその内容について統一されたイメージを持つための唯一の基礎である。作品の中核となるアイデアとストーリー、登場人物達の性格付け、物語の整合性が脚本で完成していなければならない。また、脚本は作品の規模や完成までの作業期間、必要な予算を見積もるためにも必要である。
関係者は脚本に基づいてそれぞれの担当分野でのプランを作成する。役者は脚本に基づいて役の肉付けを考え、照明スタッフは照明プランを、美術スタッフはセットや衣装のプランを、音響スタッフは音響プランを、特撮スタッフはまた特撮カットのプランを練り上げていく。
脚本には特に定まった形式はない。ただしラジオやテレビ、映画などのメディアによって、そのメディアの特質や慣習に従った一定のフォーマットが推奨、または必須とされる場合がある。
- 脚本の中に登場する人物を主役から端役まで一覧表にしたもの。主要な人物は名前、年齢、性別、人物関係が書き込まれる。
- 漫画原作では、身長差や顔の特徴、またキャラクターを立てる行動を要求される。
- 《例:山田一郎〔28〕東警察署、巡査長》等。性別、人間関係は割愛されることが多い。
- シーンの最初に書かれるシーンとシーンの区切り。そのシーンの場所と時間を示す。シーン毎に番号を振っておき、その番号を最初に書く。
- 《例:○東警察署・外観(夕方)》等。初期の段階では、シーンNoは○で示されることが多い。
- 登場人部がしゃべる言葉を「」で括って記述する。「の前にその台詞をしゃべる人物の名前を記述する。人物の性別が判り易いように男性は名字、女性は名前で書くのが普通。名前のない端役は「通行人1」のように役名が書かれる。ナレーションの場合はNと書く。その場にいない人物の台詞や、内心の台詞などは台詞の冒頭に(OFF)と書くことで指定する。
- 《例:山田(OFF)「そんな…」》または《例:山田の声「そんな…」》等。
- 漫画原作では、セリフはコマに収まるように要求される。また、語尾などにキャラクターを立てるセリフを要求される。《「~だよーん」「~なのだ」》など。
- 登場人物の動作や、照明、演出の指示を記述する。目に見える具体的な動作を書くことが必須とされており、人物の心理描写や抽象的な表現を書くことは通常は行われない。また、「フェードイン、フェードアウト」など映像効果の指定は書かない。但し、演出的表現に必要ならば、「フェードイン(F・I)」「フェードアウト(F・O)」「カットイン(C・I)」「カットアウト(C・O)」「オーバーラップ(O・L)」等指定してもかまわない。「ト書き」の言葉の由来は歌舞伎の台本の「~と立ち上がりながら」などの「と」から来ている。
- 漫画原作では、美術、小道具、衣装などのスタッフがいないためト書きに書く(大手プロダクションはこの限りではない)。1ページの大ゴマや見開きなどの指定も要求される場合もあるので、長くなる。梶原一騎は少年小説出身なので、原作は小説式で書いていた。
- ざっくりとしたストーリー。例えば起承転結を四つのハコに見立てたものを、大バコと言い、更に具体的に構成したものを小バコと言う。セリフまで書かない、ト書きの積み重ねが多い。この時点で制作者や演出部との打合せをする。これを更に人物像が浮かぶまで細かくし、あとはセリフを入れれば脚本の完成である。
関連項目