血液型






血液型(けつえきがた)とは、血球のもつ
抗原の違いによる
血液の分類である。
概要
血液型は、赤血球・血小板・白血球・血漿などに存在し数十種類が知られており、その組み合わせは膨大な数になる。世界を捜しても、自分と完全に同じ血液型をしている人はいないとすら言われる。ABO式など一部の分類は自然抗体が形成され、型違いの血液を混ぜると凝集や溶血が起きるため輸血の際に型あわせする必要がある。
医学的な意味以上に、日本人にとっては性格判断や恋愛占いの材料(ただし、ほとんどすべてABO型でのみの言及であり、他の類型の血液型が取り上げられることは極めて稀である)として親しまれており、個人のプロフィールには星座とともに記載されることも多い。→参考・血液型性格分類
ただ、多くの国では人に血液型を尋ねるという風習がないので、血液型を尋ねると「あなたは医者か?」、「献血でもするのか?」といった反応が返ってくる。場合によっては警戒されたりすることもあり好ましくない態度とされる。そもそも血液型は医療行為以外で必要になる情報ではなく、必要になればちょっと調べればすぐ判ることなので、戦時中ならともかく、自分の血液型など知っておく必要がないという考え方が世界では一般的なのである。
ABO式血液型
1901年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー(Landsteiner)らにより発見された。
ラントシュタイナーはまずA、B、C型の3つの血液型を発見し、後にAB型を発見した。また、C型は後にO型と言われるようになった。
A型にはA抗原を発現する遺伝子(A型転移酵素をコードする遺伝子)を持っており、B型はB抗原を発現する遺伝子(B型転移酵素をコードする遺伝子)を、AB型は両方の抗原を発現する遺伝子を持っている。A抗原、B抗原はH抗原からそれぞれA型転移酵素、B型転移酵素によって化学的に変換される。
3種の遺伝子の組み合わせによる表現形。ABO式血液型を決定する遺伝子は第9染色体に存在する。H物質発現をコードする遺伝子は第19染色体に位置し、H前駆物質をH物質へ変換させる。この遺伝子が発現しない場合はボンベイ型となる(後述)。
遺伝的にはAとBはOに対して優性である。統計的には日本人にはA型が最も多く、世界ではO型が最も多い。
- A型 - A遺伝子をすくなくとも一つ持ち、B遺伝子は持たない(AA型、AO型)→A抗原を持つ。B抗原に対する抗体が形成
- B型 - B遺伝子をすくなくとも一つ持ち、A遺伝子は持たない(BB型、BO型)→B抗原を持つ。A抗原に対する抗体が形成
- O型 - A遺伝子・B遺伝子ともに無い(OO型)→H抗原のみ持つ。A,B抗原それぞれに対する抗体が形成
- AB型 - A遺伝子・B遺伝子を一つずつ持つ(AB型)→A抗原、B抗原両方を持つ。抗体形成なし
A抗原とB抗原は、持っていないとそれに対する自然抗体が形成される。そのため、基本的には型違い輸血は禁忌となるが、O型からA,B,AB型、A,B型からAB型への輸血では凝集せずに輸血できる場合がある。但し、O型の血液には抗体が存在するため緊急時などを除き通常は行わない。
なお、自然抗体を持っている理由は不明であるが、細菌感染説などが存在する。
これらの抗原が最初に血液から発見されたために「血液型」という名称を冠するもので、血液以外にも唾液・精液など、すべての体液にも存在する。ただし1/4の人は抗原が出ないもしくは微量(非分泌性)のため、この場合は検出が難しい。
日本人のABO型血液型の分布はおよそ以下の通りといわれている。日本のように4つの血液型がバランスよく揃っている国は珍しいとされる。
- A型 - 約40%
- O型 - 約30%
- B型 - 約20%
- AB型 - 約10%
世界的には以下の傾向が見られる。
- 南アメリカ諸国ではO型が40%以上を占め、メキシコでは80%以上に達する。
- ヨーロッパ諸国ではA型が比較的多く、東欧諸国ではB型も少なくない。
- アジア諸国ではB型が比較的多いが、日本や韓国ではA型も多い。
- AB型はどの国でも一番少ない。
動物・植物のABO式
動物に人間と同様に凝集反応検査をしたときの反応で擬似的にABO型の反応が得られる。
参考外部リンク
特殊な血液型
稀血(まれけつ)などとも呼ばれる。Rh-型も稀血扱いされる事があるが、その存在率は以下のものよりずっと高い。
以下には簡潔な説明を記すが、実際はより複雑である。
A型の亜種
- A1
- (普通のA型。)
- A2
- 弱いA型。
- A3
- かなり弱いA型。
- Ax
- A3よりさらに弱いA型。
- Am
- Axよりさらに弱いA型。
- Ael
- ものすごく弱いA型。特定の抗原が存在しない。
- Aend
- ものすごく弱いA型。特定の抗原が存在しない。
B型の亜種
B型はあまり研究が進んでいないが、A型同様のバリエーションがあると思われる。
- B
- (普通のB型。A型と異なり、A型血液50%、O型血液50%の割合である。)
- B2
- 弱いB型.
- B3
- かなり弱いB型。
- Bx
- B3よりさらに弱いB型。
- Bm
- Bxよりさらに弱いB型。
- Bel
- ものすごく弱いB型。特定の抗原が存在しない。
- Bend
- ものすごく弱いB型。特定の抗原が存在しない。
AB型の亜種
- シスAB型
- 普通、A型遺伝子とB型遺伝子が重なった際にAB型になる(例・A×B=AB)。しかし、シスAB型の人には、AB型遺伝子ともいえるものが存在し、相手がO型などでもAB型が生まれる事がある(例えばcisAB×Oの場合は全ての型が生まれる可能性がある)。ちなみに、普通のAB型はトランスAB型と呼ばれる。
他にも、上記のA型とB型が結合したA1B型やA1Bx型など多くの亜種がある。
A、B、AB、O型のいずれにも当てはまらない型
- ボンベイ型
- 本来、赤血球にはH抗原が付いており、それにA抗原・B抗原がぶら下がっている。ところが、ボンベイ型にはH抗原が存在しておらず、赤血球からA抗原・B抗原が検出されないので、通常の検査上ではO型と判定されてしまう。なお、ボンベイ型は抗H抗体を自然抗体として持つ。
稀血と献血
献血などに訪れた人が特殊な血液型であることが判明した場合、赤十字社のコンピュータに情報が登録され、血液は超低温で冷凍され長期保存される。特殊血液型の人が輸血などを必要とする状況になった場合には、登録している同じ型の他の人への献血協力を依頼(電話や速達便などで)、または外国の赤十字社へストック要請をすることになる。
Rh式血液型
Rh因子参照。
その他
MN式、P式など約300種類が発見されている。
ABO型における親子の理論的な血液型の組み合わせ
※あくまでも、メンデルの法則に基づいた、理論的に可能性のある血液型および確率である。現実には極めてまれに例外が存在する。(例・シスAB型とO型によるAB型やO型の子供など)
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| A型
| B型
| O型
| AB型
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| AA
| AO
| BB
| BO
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| A型
| AA
| A型 (AA) 100%
| A型100% (AA50%、 AO50%)
| AB型100%
| A型 (AO) 50%、 AB型50%
| A型 (AO) 100%
| A型 (AA) 50%、 AB型50%
|
| AO
| A型100% (AA50%、 AO50%)
| A型75% (AA25%、 AO50%)、 O型25%
| B型 (BO) 50%、 AB型50%
| A型 (AO) 25%、 O型25%、 B型 (BO) 25%、 AB型25%
| A型 (AO) 50%、 O型50%
| A型50% (AA25%、 AO25%)、 B型 (BO) 25%、 AB型25%
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| B型
| BB
| AB型100%
| B型 (BO) 50%、 AB型50%
| B型 (BB) 100%
| B型100% (BB50%、 BO50%)
| B型 (BO) 100%
| B型 (BB) 50%、 AB型50%
|
| BO
| A型 (AO) 50%、 AB型50%
| A型 (AO) 25%、 O型25%、 B型 (BO) 25%、 AB型25%
| B型100% (BB50%、 BO50%)
| B型75% (BB25%、 BO50%)、 O型25%
| B型 (BO) 50%、 O型50%
| B型50% (BB25%、 BO25%)、 A型 (AO) 25%、 AB型25%
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| O型
| A型 (AO) 100%
| A型 (AO) 50%、 O型50%
| B型 (BO) 100%
| B型 (BO) 50%、 O型50%
| O型 100%
| A型 (AO) 50%、 B型 (BO) 50%
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| AB型
| A型 (AA) 50%、 AB型50%
| A型50% (AA25%、 AO25%)、 B型 (BO) 25%、 AB型25%
| B型 (BB) 50%、 AB型50%
| B型50% (BB25%、 BO25%)、 A型 (AO) 25%、 AB型25%
| A型 (AO) 50%、 B型 (BO) 50%
| A型 (AA) 25%、 B型 (BB) 25%、 AB型50%
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血液型の変化
骨髄移植を行った場合にはドナーの血液型に変わる。また、白血病を発病することによりO型に変化することがある。さらに、A型の人が消化器に癌を患うと、B型に変化することがある。
余談
正式にはO型の呼び名はゼロ型といい、人類の基本的な血液タイプである。
関連項目
外部リンク