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キー局(キーきょく)とは、放送局の系列(ネットワーク)に放送番組を送り出す放送局である。ラジオなどではキーステーションとも呼ばれる。対義語はローカル局

概説

地上波による放送を行う放送事業者日本放送協会日経ラジオ社を除く)は、自身の開設する放送局の放送対象地域(放送法第二条の二、第二項第二号の総務省令で定める、放送の区分ごとの同一の放送番組の放送を同時に受信できることが相当と認められる一定の区域)が定められている為、他の放送対象地域に放送局を開設する放送事業者とネットワークを組み、ニュースや放送番組の交換を行っている。このネットワークへ多くの放送番組を送り出す局がキー局である。

本来、キー局とは、ネットワークの本部となる局であり、立地は首都でも首都以外でも無関係なので、決して「キー局=首都にある放送局」という意味ではない。しかし、日本では、電波族国会議員や旧郵政省(現総務省)の圧力により、テレビ放送においては、首都たる東京23区にしかキー局が存在していない。このため、東京都区部に所在し、全国向けに番組を送り出す放送局を、一般に「キー局」と呼ぶようになった(※東京メトロポリタンテレビジョンローカル局)。

又、「全国向け」と称するからには、「離島を含めて日本国内全域」を対象とすべきである。しかし、実態としては、アニメなどは殆ど全てがキー局のみでしか放送されない番組が多い(特に系列局の少ないテレビ東京で顕著に見られる)。そのため、「全国ネット」というと、「実際に『全国=国内全域』で放送されている」、という錯覚を招く恐れがある。

大阪市名古屋市に本社を置く放送局は、プライムタイムなどに番組供給枠を持ち、キー局に次いで番組を多く送り出している事から、「準キー局」とも呼ばれる。キー局・準キー局を含め全国の主要都市に本社を置く放送局は「基幹局」と呼ばれている。

日本では、ニュースの交換を目的としたニュース系列が一般の放送番組の交換任務も担っている場合が多い。ネットワークから送られて来る番組に大半を依存しているローカル局では、キー局の好不調の影響を受ける為、特に重視されている。

尚、これらの語は民間放送(主に地上波)の場合にのみに用いられるものであり、一つの法人で日本全国を網羅し、放送法の規定で全国で受信できるようにすることが義務づけられている日本放送協会(NHK)衛星放送CSの放送では用いられない。尚、NHKはキー局・キー局は用いられないが、基幹放送局(放送センター及び7放送局)は用いられている。

各系列のキー局及び準キー局

系列キー局(関東準キー局(近畿準キー局(中京備考
NNN日本テレビ放送網 (NTV) 讀賣テレビ放送 (YTV) 中京テレビ放送 (CTV) (註1)
JNN 東京放送 (TBS) 毎日放送 (MBS) 中部日本放送 (CBC) (註2)
FNNフジテレビジョン (CX) 関西テレビ放送 (KTV) 東海テレビ放送 (THK) (註3)
ANNテレビ朝日 (EX) 朝日放送 (ABC) 名古屋テレビ放送 (メ~テレ・NBN)(註2)
TXNテレビ東京 (TX) テレビ大阪 (TVO) テレビ愛知 (TVA) (註4)
JRN TBSラジオ&コミュニケーションズ (TBS R&C) 毎日放送 (MBS)
朝日放送 (ABC)
中部日本放送 (CBC) (註5)
NRN文化放送 (QR)
ニッポン放送 (LF)
毎日放送 (MBS)
朝日放送 (ABC)
大阪放送(ラジオ大阪・OBC)
東海ラジオ放送 (SF) (註5)
JFNエフエム東京 (TOKYO FM) エフエム大阪 (fm osaka) エフエム愛知 (FM AICHI) (註6)
JFL(註8)J-WAVEFM802ZIP-FM(註7)
MegaNet
(註8)
エフエムインターウェーブ (InterFM) 関西インターメディア (FM CO・CO・LO) 愛知国際放送 (RADIO-i) (註7)
  • (註1) 一般番組供給はNNSがある。
  • (註2) 1975年までJNNとANNの準キー局が互いに逆であった。即ち、同年までJNNの準キー局はABC、ANNの準キー局はMBSだった。 一般番組供給はJNNにはTBSネットワーク、ANNにはテレビ朝日ネットワークがある。
  • (註3) 一般番組供給はFNSがある。
  • (註4) 2008年現在で、テレビ大阪はプライムタイムに番組供給枠を有していない。
  • (註5) キー局が全てを取り仕切る一方通行方式である為、準キー局は厳密には存在しない。
  • (註6) 番組制作会社であるジャパンエフエムネットワークもキー局に近い形である。
  • (註7) 基本的に放送番組の交換が行われておらず、東京の放送局がキー局、大阪の放送局が準キー局と呼ばれることは少ない。
  • (註8) この2つのネットワークは、ネットワークとして密なものでなく、情報交換や一部番組交換にとどまる。

上記の外、関東・中京・近畿の独立UHF放送13局による組織U13(JAITS)があるが、基本的にニュースや放送番組の交換などが行われない為、ネットワーク組織として扱われていない。又、通常のネットワーク組織とは異なるが、教育放送番組の融通を行う機関として財団法人民間放送教育協会がある。

問題点

東京局による地方局の支配

東京(首都)のキー局と地方のローカル局は、対等な立場とされるべきである。

しかし、

  1. 番組の制作におけるアイドル芸能人の独占。ローカル局による制作の番組でアイドルを起用すると、ギャラだけでも局内の予算が圧迫されるので到底不可能。
  2. 系列外へのニュース配信は行わないとした排他協定JNN協定など)
  3. 東京キー局が系列ローカル局に支払うネット保証料。
  4. 東京キー局の系列ローカル局への資本参加。
  5. 地方ローカル局の番組制作数の少なさ。
  6. 地方に立地する芸能事務所番組制作会社の少なさ。
  7. 全国ネットで放送してもおかしくないと思われる番組(アニメや一部のバラエティ番組など)が東京キー局のみなのに対し、東京ローカルと思われる番組が全国ネットになる事がある。

などの点によって、地方ローカル局は東京キー局に逆らえなく、自社製作番組が作りにくい状況にある。

テレビ放送の場合、大阪に本社を置く準キー局が制作する全国ネット番組も、以前は大阪の本社スタジオで収録されて、全国ネットで放送される番組も少なくなかった。しかし、放送施設や芸能事務所や芸能人の東京一極集中が進んだため、現在では、準キー局が制作しているプライムタイムの全国ネット番組の大半は、東京のスタジオで収録されている。

また、大阪に総本社を置く芸能事務所(吉本興業松竹芸能など)も、東京にある支社・営業所を実質上の総本社とする傾向が見られている。

2006年現在、大阪の本社スタジオで収録され放送されたプライムタイムのテレビ番組は『キスだけじゃイヤッ!』(読売テレビ)の1本のみである。又、ニュース番組も、大阪で収録する番組は、『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)1本のみという状況である。大阪の準キー局が制作するプライムタイム以外の全国ネットの番組や、名古屋の民放が制作する全国ネットの番組でも、東京で収録する番組が多い。

更に、東京・大阪・名古屋といった大都市を除く、地方の放送局が制作するテレビ番組で、全国ネットや番組販売が為されている番組は、『テレビ寺子屋』(テレビ静岡)や『しましまとらのしまじろう』(テレビせとうち)など、ほんの僅である。

殊にテレビのネットワークの場合、地方ローカル局は、東京キー局の番組を地方で放送させる「中継局」として設立された物が大半であり、地方局は一部の老鋪局(開局時期が1970年代以前の局)などを除いて、東京局の「出張所」と化しているのが現状である。この為、日本では、米国CNNのような地方発祥の全国放送局や、ローカルネットワーク(例:東北地方限定、九州地方限定)の放送局が生まれ難かった。

地方では放送されないアニメの増加(特に深夜)

テレビで放送されるアニメを放送の形態で分類すると

  1. 民放の地上波
  2. NHK(総合・教育)=放送法の規定により、全国で受信できるようにすることが義務づけられている。
  3. 衛星放送=BS(アナログ・デジタル)・CS

に分類される。

原則として全国同時ネットである朝やゴールデンタイムのアニメ枠が減少する一方で、番組販売が基本となる深夜アニメの増加傾向となり、地方では放送されないアニメが増えてきている。かつては夕方枠のアニメ番組の一部に未放送地域や遅れ放送地域があった(現在でも一部残っている)。 2001年に放送が開始したBSデジタルで放送するという案もあるが、BSデジタル放送は無料で見られる事から独自にスポンサーを探してくる必要が出てくるため、テレビ東京のアニメの一部を放送するBSジャパンでも全作品を放送することは不可能な状況にある(NHKと異なり、全国で受信できるようにしなければならないという、法的な強制力を有しないことと、地上波キー局とBSデジタル放送局は別法人となるため)。

また、一部の作品は地方のローカル局へのアニメの販売による利益に影響が出てくるため、キー局での放送から1年以上も経過しから放送されず、また全話を放送できずに打ち切りになってしまうことも多々あり、最後まで放送されるケースは極めて少ない。

これらの点を考慮すると、本質的な問題は「キー局がアニメを独占している」というより、むしろ地上波のアニメが全国放送(全ての市・町・村で、かつ同時に受信)されないことにある、ということができる。

全国で受信ができないなら、地上波の代替としてBSデジタルで放送する案もあるが、BSデジタルで放送すると、地上波の放送に向けたローカル局への売り込みができなくなり、アニメによる利益を減少させるため、放送されるアニメは極めて少ない。しかし、裏を返せばローカル局がアニメの放送にかける予算を削減できるというメリットになる。

BSデジタルのみのアニメを放送(地方間の公平を期するため、地上波では一切未放送)するキー局で最も積極的なのがTBSのBSデジタル放送BS-iであり、全国で受信が可能な数少ない局である。かつてのTBSは地上波ではTBSのみでの放送とし、地方向けには系列局への番組販売は行わず、BS-iで放送する手法をとっていたが、余りうまくいっていないのか、2005年辺りから地方局への番組販売も行っている。

東京一極集中報道

上記で挙げられた原因によって、全国向けに流される情報が、首都たる東京を中心に神奈川、千葉、埼玉近辺の物に偏ってしまい、東京への一極集中や地方の没個性化、更には言論統制情報操作地域差別を招いていると批判する声が上がっている。

  • 番組で紹介される店や街などの情報が、東京または近郊(特に神奈川、千葉、埼玉)に偏り、地方の名店などが紹介されない(『VivaVivaV6』『王様のブランチ』『出没!アド街ック天国』、『新どっちの料理ショー』、朝の情報番組での店の紹介など多数)。
  • 上と重複するが、東京に開設された最新スポット(六本木ヒルズヨドバシカメラマルチメディアAkiba秋葉原クロスフィールド表参道ヒルズなど)の情報は全国ネットでも大々的に報道されるが、他の地方で同規模のスポット(名古屋JRセントラルタワーズ福岡キャナルシティ博多など)が開設されても、全国ネットでは殆ど報道されない。このため、関東地方は、他の地方の情報を殆ど放送しないという、一種の「報道管制」といえる状況に置かれている。
  • トークの内容が、東京ローカルの番組や東京の街の名前などのネタになる(石原良純の天気予報ネタなど)。
  • プロ野球の情報が、日本テレビTBS(特に日本テレビ)では、関東地方の情報に偏ってしまう(フジテレビテレビ朝日などは、全国ネットではあまりひいきしていない)。これを全国ネット番組(『ズームイン!!SUPER』など)で流すと、自分の地方のプロ野球チームの情報が少ない、と不満を抱く者が多い。
    • 全国放送で読売ジャイアンツのみを過剰に報道した結果、プロ野球のファンが読売ファンばかりになった時期もある。しかし読売側にとっては増収につながったため、結果として各球団のファン数のバランスがいびつになった。読売と対戦しないパシフィック・リーグは存廃問題にまで発展した。その後、パシフィック・リーグにも地域密着型球団が出現して多少改善されたが、未だに影響は大きい。これは読売新聞の拡販問題にも共通する。
  • 社会問題などを語る際に、首都であり、また最大の過密都市である東京の視点のみとなり、地方(過疎地(村落離島)の視座を軽んじてしまう。
  • 東京特別区内で起こった事件や事故の名称から、「東京」を外して報道する(例:地下鉄サリン事件世田谷一家殺害事件など)。
  • 東京以外の他の地方(特に京阪神)の社会問題を、意図的に詳しく報道する(『交通バラエティ 日本の歩きかた』など)。
  • 台風豪雪など自然災害の時、東京に被害が及びそうになると、特番を組んだり定時ニュースの大半を割くなどの報道がされるが、台風が東京を過ぎたりすると、割く時間が一気に減る(これはNHKにおいても特に顕著であり、非難する意見が多い)。
  • 東京は日本の首都であるという言い分があるため、大事故・大災害の際には被災地や関東以外の地方の問題の報道より「もし東京で大災害が発生したらどうなるか」などという問題だけ報道し、被災地の実状を報道しないことや他の地方での被害を全く考慮していない(阪神・淡路大震災のとき特に指摘された)。

以上のような問題点が指摘されている。関東のマスメディアにとっては関東のことについては当事者でもそれ以外の地域については傍観者であるため無関心であることも重要である。

又、関東以外の地方から東京または東京近郊に転入して来た場合、(地方に帰省した際などに)東京キー局の番組(特にアニメ)が帰省先の地方で全く放送されないか、或いは1週間以上(遅れて放送される事を知り、不満を抱く者も存在する(2ちゃんねるにはこの声が多い。例えば、大阪出身の芸人が出演している番組でも、地元で遅れネットされる番組がある。)。特に近畿地方中京地方では、一つの経済圏を築いているが故に、自主路線の比率が他の地方と比べて著しく高い。

その背景に、キー局以外の放送局の経営体力が弱っているがために、番組予算が低予算になりつつあり、自社の情報番組が制作し難い事情がある。そのため、地方のローカル局では、「下手に制作費を費やす位なら、東京の番組を流そう」、という考えに帰結する事が多いのが現実であるが、アニメは殆ど放送される例がない。

但し、『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)や、『水曜どうでしょう』(北海道テレビ)のように、地方制作ならではの内容で根強い人気を誇っている番組も多く、一概に東京キー局制作の番組に人気が偏っているわけではない。

関連項目

キー局

日テレNNNNNS)◇ TBSJNN)◇ フジFNNFNS)◇ テレ朝ANN)◇ テレ東TXN


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