クリスマス






クリスマス(英:Christmas, Xmas)とは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝うキリスト教の記念日・祭日である。12月25日がこれに当たるが、昔の暦では日没を一日の境目としているので12月24日夕刻から朝までをクリスマス・イヴとして祝う。
語源と表記
英語の Christmas の語源は、「キリストのミサ」(Christ + mas)にある。
Xmasという表記は、ヘブライ語のメシア(油注がれた者)のギリシャ語訳である「キリスト」の原表記「Χριστος」の頭文字をそのままとってXを「Christ」を表す略記としたものであるが、正式な場では避けられる。
日本ではアポストロフィを付けて X'mas と表記されることが多い。英語圏の国でこの表記が見られることはほとんど無く、Christmasの略記は Xmas あるいは X-mas と綴る。
日本や台湾、東南アジアで X'mas と表記されるようになった起源は不明だが、終戦直後1945年のクリスマスで、GHQ総司令部の正面玄関には Merry X'mas とネオンサインで大書されていた。
キリストの誕生を祝う祭りとしては降誕祭、聖誕祭、聖夜などの呼び方がある。
概要
新約聖書には、イエスの誕生日に関する記述は無く、この日は定かではない。
降誕祭とは別に1月6日をキリストの公現祭として祝う日が存在していた。
12月25日の生誕祭は、遅くとも345年には西方教会で始まった。
ミトラ教の冬至の祭を引用したものではないかと言われている。
ロシア正教会などの東方正教会とコプト正教会は1月7日(ユリウス暦の12月25日に当る)に降誕祭を祝うが、日本ハリストス正教会、ブルガリアの正教会ではグレゴリウス暦の12月25日に執り行う。
キリスト教圏では、クリスマスには主に家族と過ごし、クリスマスツリー(常緑樹で一般にモミの木)の下にプレゼントを置く。プレゼントを贈る気持ちである「愛」の日でもあるらしい。
クリスマスの習慣は、もともと太陽神崇拝などキリスト教以前の宗教に由来しており、必ずしも聖書に由来するものばかりではない。
サンタクロースもキリスト教と直接には関係しない。
世界のクリスマス
キリスト教の中でもカトリックの影響の強いイタリアやフランス、スペインなどでは、クリスマスは12月25日に始まり、1月6日に終わる。クリスマスの飾り付けは23日頃に行う。24日はクリスマス・イヴとして夜を祝う。子供達がプレゼントをもらうのは1月6日である。飾り付けは1月6日を過ぎてから取り払われる。
キリストの誕生の話に登場する場所や人物の人形を飾り付ける。
赤ん坊のキリストだけは24日から25日に日付の変わる深夜に登場する。
このとき三人の東から来た王様は、離れた場所に置かれ、毎日子供達は王様を少しずつキリストの生まれるうまやへと近づけて行く。1月6日に三人の王様はキリストに出会い祝う。子供達はこの三人の東から来た王様からのプレゼントを朝に見つけることになる。
イタリアでプレゼントを持って来るのはベファナ(Befana)という名の魔法使いである。
オランダやドイツの一部地域などでは12月6日がニコラウスの日で、子どもたちはプレゼントをもらう。
ドイツでプレゼントを持ってくるのは北部ではヴァイナハツマン(Weihnachtsmann)、南部ではクリスト・キント(Christkind)と言われている。
イギリスではサンタクロース(Father Christmas)が12月25日にプレゼントをもって来る。米国では、イギリス流のクリスマスが一般的で、日本のクリスマスも米国流を受け継いでいる。またこの日には、クリスマスの挨拶にとクリスマスにちなんだ絵はがきやカード(グリーティングカード)を送る習慣がある。米国では、クリスマスプレゼントを家族全員で交換し合う習慣がある。
近年米国では、宗教的中立の観点から「メリー・クリスマス」の代わりに「Happy Hollidays ハッピー・ホリデーズ」の挨拶を用い、公的な空間に飾られたクリスマスツリーを「ホリデー・ツリー」と呼びかえることが多くなってきたが、保守的なキリスト教徒の中にはこの傾向に反発する者もいる。
欧米諸国、さらに韓国では、クリスマスは法定祝日である。ヨーロッパでは12月24日(イブ)から1月1日(元日)までクリスマス休暇が続く。25日にはロンドンの地下鉄やバスが全線運休になるという(LINK)。一方、アメリカでは25日だけが祝日で、個人で各々有給休暇を取得して休むのが一般的という(LINKLINK)。
日本のクリスマス
日本で初めてのクリスマスは、1552年に現在の山口県周防において宣教師たちが日本人信徒を招いてのミサであるという。
キリスト教人口が1%たらずの日本でクリスマスが受け入れられたのは、文明開化の流れに沿ったハイカラ趣味でもあったが、1900年に明治屋が銀座に進出し、そのころからクリスマス商戦が始まったことが大きな契機として指摘できる。
戦後から神武景気まではサラリーマンを中心に繁華街で繰り広げられていたクリスマスは、その後の高度経済成長と核家族化によって、家庭の行事へと移っていった。
現代の日本では、クリスマスはもはや年中行事化している。商業施設では早いところは11月上旬~中旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセール等が行われる。店内ではクリスマスソングが流れ、洋菓子店ではクリスマスケーキを販売するが、それらはキリスト教とほとんど関係がない。欧米では12月26日以降もクリスマス関係の行事が続くが(前述のように、年明けの1月6日にクリスマスプレゼントを贈る場合もある)、日本では12月25日を過ぎるとクリスマスの飾りが一転して門松などの正月飾り(日本の神道式)に付け替えられてしまう(ただし一部の飾り付けがバレンタインデー(2月14日)まで残され利用されることもある)。
ともあれ、家庭の子供にとってはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる嬉しい日である。
また1970年代後半からは、カップルにとっては一緒に過ごしたりプレゼントを贈る日という扱いが目立つ。松任谷由実の『恋人がサンタクロース』(1980年)や、山下達郎の『クリスマス・イブ』(1983年)の影響によるものと思われる。1980年代後半のバブル期からは、マスコミを中心に、「クリスマスは恋人と過ごすべき」、「クリスマスは高級なレストランで食事をし、高級なホテルに泊まるものである」と煽ることにより、「クリスマスを独りで過ごすことは恥ずかしいこと」という強迫観念からか、男女問わずクリスマスのための恋人探しに奔走する姿が目に付く。このような「クリスマスは恋人と過ごす日」という風潮は日本固有のものである。本来のクリスマスの意義と大きくかけ離れた風潮に対し、敬虔なキリスト教徒からは批判的な意見も数多く見受けられる。
雪の降るクリスマスは「ホワイトクリスマス」と呼ばれ、いっそう雰囲気を盛り上げる。一部の庭のある家庭では、この時期に庭木などに電飾を施す。街中でも葉の落ちた街路樹に豆電球を飾り付け点灯させているところがある。しかし東京周辺の場合、クリスマスの降雪は皆無に近い(特に積雪は皆無)なので、東京周辺でのホワイトクリスマスは絶望的である。
またこの行事は幼稚園・保育園・小学校などでも盛んに行われる(通常冬休み直前に。従って12月24日または12月25日ではないことがほとんどである)。正式の形で行われるのは無論キリスト教系(ミッションスクール)に限られる。しかしこれらは低年齢でこその関心で、中学校以上の場合たとえミッションスクールであっても生徒・学生の学校のクリスマス行事への関心は低いようである。
また、クリスマスは多くの国で祝日となっているが、日本でも祝日にしようという話がある。祝日となれば12月23日(天皇誕生日)と25日に挟まれた24日が国民の休日となり3連休となる。
さらに、年によっては21日から5連休となり、しかも、その後すぐに年末年始休暇となるため、(有給休暇などを上手く利用すれば)15連休前後の長期休暇が取りやすくなるという利点がある。
しかし、政教分離の原則から、特定の宗教の記念日を祝日とすることに対する抵抗も根強く、現状では実現の見通しは全くたっていない。なお、韓国ではクリスマス以外にも、釈迦誕生日も祝日である。
イエス・キリストの誕生日との関係についての諸説
新約聖書には、イエスの誕生日に関する記述は無いが、
10月1日か10月2日が誕生の日と推測する説もある。
また1993年9月15日に、英国の天文学者D・ヒューズが聖書中の天文現象の記述から、イエスの誕生日は紀元前7年9月15日とする説を発表した。
1月1日が12月25日と1月6日のちょうど中間にあたることから、キリスト歴の1月1日を定める時に中間の日を妥協案として選んだという説があるが、これは単なる俗説である。ローマ帝国で使用されていたユリウス暦は、紀元前45年から1月1日を年初日に設定しており、キリスト教との因果関係はあり得ない。ただし、1月1日は丁度クリスマスの8日後にあたり、主の割礼祭(ユダヤ教の律法において、生後8日目に割礼を施すことが慣わしになっている)としての祝日になっている。
なお西暦1年は、キリストの生まれた年と決められており、紀元前を表すB.C.は「Before Christ」すなわち「キリスト前」という意味である。しかし実際には、キリストが生まれた年は紀元前8年から紀元6年ごろまで諸説ある。
また、キリスト教はローマ帝国の国教として定められ、当時ローマ帝国の支配にあったヨーロッパ全域に広がっている。しかし、当初はローマ帝国はキリスト教を迫害したため、キリスト教徒はローマから離れた地方に逃げており、スペインにはローマ帝国において変化する前の古いキリスト教が起源と思われる習慣も残っている。
西暦の1月1日を新年として祝うのは王政ローマで紀元前713年ごろから始まった。のちに年初日はそれ以前の年初日であった3月1日に戻ったが、古代ローマ共和国時代、紀元前153年1月1日からローマでは年初日が1月1日に戻った。多くのキリスト教国や日本はそれに倣っている。例えばヒンドゥー教徒やイスラム教徒は、現在でも1月1日を通常の日と同じように過ごし、それぞれの新年の日を別に持っている。
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