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コマーシャル
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コマーシャル
ここでは、2の「コマーシャルメッセージ」について述べる。
コマーシャルメッセージ(commercial message)は、本来は「商業用の伝言」全般を指し、通信媒体、特にテレビ放送に限らない。しかし、テレビ・ラジオの普及とともに、民間放送においてテレビ番組、ラジオ番組の前後や番組の途中に流される、短い宣伝のことを指すことが一般的になっている。コマーシャル、CMとも略される。広義のCMと、テレビ・映画・インターネットなどの動画広告とを特に区別する場合は、CF(commercial film)と呼ばれる。
日本の民間放送局のうち、地上波放送局、衛星放送局、ラジオ放送などは、通常、CMを放送することで広告主からの広告料によって利益を得ている。広告収入は、番組の制作・購入費の主要な財源でもある。最近では、インターネットにて番組コンテンツを無料視聴できるGyaOにおいても、冒頭、終了前、中間において動画CMを流している。
ケーブル放送、一部衛星放送では視聴者からの契約料収入があるため、テレビCMを放映しない放送局もある。(CS放送も行っている一部の地上波放送局では、過去に放送された番組再放送時は番組中のテレビCMの放送を一切行わない局もある)
日本以外の放送局の場合、アメリカの公共テレビ局のように、地上波民間放送局であってもテレビCMを流さないもの、ケーブルテレビのコミュニティチャンネルのように、広告収入も契約料収入もないものなどがある。日本では公共放送局であるNHKは特に広告を流すことによる収入を得ていないが、海外の放送局の場合、国営放送局等の公共放送局であってもテレビCMを流し、広告収入を得ている場合がある。
一本のCMの時間は、テレビでは15秒、30秒が多く、ラジオでは20秒から1分程度のものまである。かつては会社名や商品名のアナウンスだけの5秒ものもあったが、日本に於いては現在では15秒、30秒に統一されている。1970年代初頭までは、番組本編中に画面下部にテロップでCMを入れることも日常的に行われていた。
日本初のテレビCMは、日本の民放テレビである日本テレビが開局の日の1953年8月28日に放送したものである。服部時計店(精工舎)の提供による正午の時報だったが、放送の不慣れからフィルムを裏返しにかけてしまったため、3秒ほどで中止されたと言われる。(参考・「時の家庭科」セイコーのテレビCM)
CMには番組の途中で放送される、その番組の提供を行う企業などのCM(提供CMあるいはタイムCM)と、番組と番組の間のステーションブレイク(Station break、SB)と呼ばれる時間帯で放送される単発のCM(スポットCM、ステブレCM)がある。放送局によっては番組中にも提供を行わない企業のスポットCM(パーティシペーション(PT)とも)を放送することがある。契約上は提供CMであっても、番組開始クレジット直前に送出されるものは「カウキャッチャー」(CC)、終了クレジット直後に送出するものを「ヒッチハイク」(HH)と称する。
CMは、いくつかを連続させた「CM枠」単位で放送される。個々のCMの長さはテレビでは場合15秒、30秒、60秒など15秒を基本とし、提供CMは30秒など長めのものが、スポットCMは15秒ものが多い。ラジオでは10秒、20秒、40秒など10秒を基本とする。
CMには個々の商品やサービスに関する宣伝、企業イメージを訴求する宣伝などいくつかの目的・表現手法がある。また、企業CMのほか、政府・官庁、地方自治体、公共広告機構(AC)などの団体のPRもあるほか、放送局自身が番組プログラムをPRするためのもの(番組宣伝あるいは番宣)がある。
地上波民間放送においては全放送時間におけるCMの放送時間比率をおおむね20%程度に設定している。
また、衆議院・参議院の選挙開催期間中には政党・政治団体のCMがスポットで頻繁に放送されるが、比例代表選出選挙の政見放送はNHKでしか行うことが認められていないため、事実上その代わりとして行われていると見なしてもよい。
CMは限られた秒数内で企業や商品のイメージ、購買意欲などをそそるような効果を目的として制作され、広告宣伝業界では美(もしくは美人)・野獣(動物)・幼児(乳児)の Beauty, Beast, Baby の、いわゆる 3B を用いることが伝統的な手法として定着している。これら3B は、人間が漠然と物を見ているときにも目に留まりやすい心理効果を狙った事物であり、テレビ・ラジオ等のCM以外にも広告宣伝全般で応用されている。
CM制作者にあっては、前述のように限られた秒数内で消費者や視聴者に訴求効果を与えるために実験的な視覚効果や映像技術を実践する場として用いられることも多く、CM畑で養ったカット割りの技術やアングルやショット等の映像テクニックを評価され、映画監督を頂点とする映像業界等へのデビューに至るアマチュア映像作家からの登竜門としての位置付けがあり、各種コンテストが存在する。メディア関連の各種コンテストの参加者は映像専攻の学生を初めとして現役のCM制作者の有志等で構成されるが、初見の斬新さのみで入賞した受賞者の多くは手法が限られているため、老練なCM制作者に同様のテクニックを使われ、埋もれていくことが多い。
映像関連のソフトウェアとしては、映像にテロップやスチル画像を嵌め込む初歩的な視覚効果からコンピュータの高性能化と相まって3DCG による視覚効果を狙ったものに変化し、ソフトウェアの機能や性能を伝えるために各種博覧会等の場を用いて複数企業で採用されているCM映像をソフトウェアのデモンストレーションとして提示し、ソフトウェアの高機能性と市場シェアの大きさを顕示している。その一方で、制作業界全般で同一ソフトウェアや同一傾向にあるソフトウェアの使用によって定型化した視覚効果が生じ、消費者や購入者の目が慣れてしまい新鮮さや斬新さがなくなり陳腐化することがある。
テレビCMは15秒単位で構成されるが、単一商品群を扱う企業にあっては複数のCMを細切れにして一本化する手法がある一方で複数種の商品を扱う企業では商品ジャンル毎に特定キャラクターやタレントを用いてシリーズ化する手法がある。さらにテレビCMそのものを一本のストーリーとして特定シーズンに限り分割して放送する手法もある。この特定シーズンにストーリー化したテレビCMが日本で初めて採りいれられたのは柳葉敏郎、賀来千賀子を用いたJRAのテレビCMで以降複数の企業でCMのシリーズ化が始まる。
インターネットの普及と通信速度の高速化により動画配信の市場が拓け、過去に放送されたテレビCM映像を各種企業が映像ライブラリーとしてインターネット上で提供するようになるのと並行して、インターネット利用者の世代や市場定着に着目した企業がテレビCMの続きをインターネット上で配信する傾向が2004年頃より生まれてきている。また、インターネット上でしか配信できないような内容のバイラルCMが注目されている。
人の視覚認知はある条件下では正確さを持つ一方で錯視に代表される錯覚も生じるため、動画CMでは心理効果も併用して現実の映像をより一層現実感をもって消費者や視聴者に訴えるような映像効果や技術を研鑚している。コンピュータの処理速度の高速化や 3DCG の高機能化により一時は実現が難しいとされていた煙や湯気等の気体の動きも徐々に再現されるようになり、テレビの前に座っている人間にとってはどこからどこまでが現実のものか識別できないデジタル化の傾向に向かっている。その一方で、現実不可能と思われるような実写を試行錯誤と多大な時間をかけて撮り、高い評価を収めている動画CMもありデジタル化とアナログ化の両極化が現れてきている。
一般にCMは短時間の素材に極力効果的なメッセージを凝縮しようとするため、編集作業(ポストプロダクション)には細心の注意が払われる。技術的には高価な使用料を要する最新のデジタル編集スタジオを借りて高品質の編集が行われる。最終的にはNTSCのアナログ放送の画質や、MPEG-2で圧縮された画質で放送されるものであっても、D1などのコンポーネントデジタルビデオ信号を用いた編集機器が用いられるのが珍しくなかった。近年ではBSおよび地上波デジタル放送におけるデジタルハイビジョン放送に対応したハイビジョン編集室も用いられる。
テレビ放送初期には一日の放送するテレビCMを一本のフィルムにまとめて放送するといった効率的ではない方法でテレビCM送出が行われていたが、その後CMバンクと呼ばれるシステムが実用化され、現在ではほとんどのテレビCMがCMバンクから送出されている。
詳細は、CMバンクシステムを参照のこと。
テレビCMの間は他のチャンネルに変える(ザッピング行為)人がいるため、視聴率が低下する傾向が見られる。
また、CMの間に「トイレに行こう」「用事を済ませよう」という人は多い。しかし、広告媒体費は高額で(特にテレビ放送)、民放のテレビ局やラジオ局はスポンサーからの広告媒体費が収入の多くを占める事から、この問題に非常に過敏になっている。あるテレビ番組では、出演したタレントが「CMの間にトイレを済ませましょう」と発言をしたために関係者が処分されるという事例があった。芸能人では、徳光和夫、井ノ原快彦、乱一世たちが、過去に同様の発言を行った。放送業界では冗談でもこの問題を公然と語ることはタブーとされている。
近年の録画機器は、音声認識や映像認識などにより、テレビCMを識別し、自動的にスキップしたり、カットして録画する機能を持つ機器がある。たとえば、番組自体がモノラルまたは2ヶ国語放送でテレビCMはステレオ放送の場合、音声フォーマットの違いから番組とテレビCMの区切りがわかる。番組とテレビCM共にステレオなど、音声フォーマットが同じ場合は、映像や音声レベルの変化によってテレビCMを判別したりする。
CMが視聴されない状態はスポンサーを失い、放送業界の収入減に直結することからも、日本民間放送連盟会長でフジテレビ会長の日枝久は、「テレビ番組はCMも含めて著作物で、CMを飛ばして再生・録画することは著作権の侵害に当たる」と牽制している。(再生・録画は個人として楽しむための複製であり、これは認められている。著作権の侵害という指摘は強引である)2005年5月、野村総合研究所の調査では約540億円の経済損失だという試算をまとめたが、一方で電通はこうした機器の購買層はコマーシャルにも関心が高く、今のところ損失にはつながらないと分析している。
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