サイマル放送






サイマル放送(さいまるほうそう)とは、1つの
放送局が2つ以上の異なる
媒体(または放送波)で全く同一の内容を同時に放送することを言う。特に民放の場合は、いわゆるネット系列をまたぐ形で同時放送を行う場合、あるいはテレビとラジオで同時放送を行う場合のことを指す。
なおキー局による全国番組のような他局との同時放送はネット番組と言い、サイマル放送とは言わない。英語ではsimulcastといい、語源はsimultaneous(意味:同時の、同時に発生する)とbroadcast(意味:放送)からきている。
事例
この事例として、古くから挙げられるのがNHKの番組である。「NHK紅白歌合戦」が総合テレビとラジオ第一放送、衛星第二放送などで、「NHKのど自慢」が総合テレビとラジオ第一放送、といった組み合わせが有名である。また、NHKラジオ放送のニュース番組の一部時間帯や、「昼のいこい」、「昼の散歩道」、「ラジオ深夜便」でのラジオ第一放送、FM放送、NHKワールド・ラジオ日本(国際放送)なども挙げられる。
近年で有名なサイマル放送と言えば昭和天皇崩御の際で、NHKが当時所持していたNHK総合・教育・BS1・BS2・ラジオ第一・第二・FM放送のすべて(ただしBS1とBS2は試験放送中)が同時放送した、1989年1月7日朝7時57分は異様な雰囲気であった。
特にNHKの場合は公共放送という立場上、多チャンネルを駆使したサイマル放送番組の供給がその使命の一つとなっている。
災害時などの緊急時には、受信者の手段を選ばす確実な伝達を図る上でも有効なため、NHKなど2系統以上の電波媒体(チャンネル)を持っている放送局において、テレビジョン放送と中波放送などで機動的に行われることもある。NHKにおいては、基本的に「震度6弱以上の地震」が発生した場合、あるいは「大津波警報・津波警報が出された場合」には通常の放送を全て中断し、災害に関する情報を一斉にサイマル放送することになっている(この場合は原則として緊急警報放送扱いとなると考えられる)。
一方、民放局の場合は番組構成上の理由で行われる場合がある。かつては民放版の「ゆく年くる年」が民間放送各社の共同制作となっていた関係で、ほぼ国内の民放全局でサイマル放送されていた。またTBSは「輝く!日本レコード大賞」などについて、テレビ・ラジオでサイマル放送を行っている。(1999年までは「日本有線大賞」もサイマル放送されていた)
NHKに限らず、ラジオ・テレビ兼営局ではラジオの制作手法を使ったテレビ番組、といった企画意図でサイマル放送が行われることがある。他にも特定の出演者を追いかける形式で番組が制作されることがあり、そうした場合にも短時間ではあるがサイマル放送が行われることがある。2004年9月に神戸に拠点を持つサンテレビとラジオ関西の例を挙げる。
他にも2003年12月19日には、六本木ヒルズにテレビ朝日が移転したことを記念して、同じ日に六本木ヒルズ森タワーに移転したJ-WAVEとの間でサイマル放送が行われた(テレビ朝日は「ニュースステーション」、J-WAVEは「Jam the WORLD」の枠内で放送)。
最近の例では、デジタル放送の放送開始に伴い、地上アナログテレビジョン放送と地上デジタルテレビジョン放送を行っている放送局において、アナログの電波で送信されている内容と全く同じ内容をデジタルの電波で同時に送信している場合などがこれにあたる。サイマル放送は、この場合は前出のケースのように視聴者の受信設備が完全にデジタル放送に対応できるように移行する間の経過処置として行われる場合である。
CS放送関連では、過去にアナログCS放送であるCSバーンが終了し、デジタルCS放送のパーフェクTVへ移行する際に番組供給事業者が行った例がある。
関連項目